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シリーズ
おいでませ!ボカロ家族。〜初音ミク&巡音ルカの暴走編〜
「ルカ姉さん」

緑の髪をツインテールにした可愛らしい少女が、こちらに向かってパタパタと駆けてくる。

「あ…ミクお姉さん。おはようございます」

その存在に気付いて、深々とお辞儀をした。

「あのールカ姉さん。私のことミクって呼んでください。私の方が年下なんですから」

ね。と首を傾げても、妙なところで頑固なルカはふるふると首を振る。

「いいえ。年は私の方が上でも、ミクお姉さんの方がずっと先輩ですから。ミクお姉さんと呼ばせてください」

綺麗に指を揃えて真剣な顔で駄目でしょうか、と聞かれ、ちょっと困ったような顔をしたミクは照れたように笑った。

「えへへ。ちょっと気恥ずかしいですけど、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね、ルカ姉さん」

ルカの右手を、ミクが優しく両手で包み込む。

「こちらこそお願いします。ミクお姉さん」

微笑んで、ルカは右手をそっと握った。

「初音さん、巡音さん、収録の準備出来ましたーっ」

その時、スタジオの中から声がかかった。

「はーいっ」

「はい」

二人はお互いの目を見合わせる。



「「行きましょう」」



〜収録後〜





「ところでルカ姉さん、『百合』って何でしょう?」

ミクが少し背の高いルカを見上げて、尋ねる。

「お花の『百合』…ではないのですか?綺麗なお花だそうですよ」

ルカが少し背の低いミクを見下ろして微笑んだ。

「そうなんですかー。今度見てみたいですね」

「そうですね」

にこにこと笑い合いながら、二人は隣同士の我が家を目指した。






2009.11・24


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