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シリーズ
おいでませ!ボカロ家族。〜神威がくぽさん登場編〜
「がっくんがっくん」

「…何で御座るかカイト殿」

拙者は「がっくん」等と言う名では御座らん。

ぽえぽえと笑みを浮かべた従兄に当たるであろうか青き襟巻き男が、拙者に向けて小指を突き出した。

「指切りしよう!」

「は?」

武士にあるまじき間抜けな声が出る。

ゴホンゴホン。

「カイト殿。指切り…と言うと、あの童等のよくする?」

「そうだよ〜約束しよう!」

「何をで御座るか?」

カイト殿とは従兄、従弟の関係に当たるとはいえあまり懇意にしたことはない。
それが約束…とは?

「ミクやリンちゃんやレン君、みんなを守っていこうね」

にっこりと目の前でカイト殿が笑う。
拙者は言葉を失った。

「男の子は僕とがっくんとレン君しかいないでしょ。レン君はまだ子供だから。めーちゃんやみんなのこと、守ってあげてね」

僕も頑張るけど、と笑って拙者の眼前に小指を突き出す。

「そうで御座るな。童やおなごを守るのは武士の役目、約束するで御座る」

神妙に頷いて、差し出された小指に己の小指を絡める。

「やーくそーくげーんまーん嘘吐いたら(ニコニコしてる)動画のがっくんの歌荒ーらすっ♪」

「うむ。異論無いで御座る」

互いの絡めた指を離す。

「あ、ミクがネギ炒飯作ってくれてるんだ。がっくんも食べにおいでよ!」

拙者にとっての従姉(齢は拙者の方が上だが)はネギ料理を作るらしい。

「忝ない。有り難く頂戴するで御座る」

深々と頭を下げる。
どうやら拙者の生まれて初めての親戚付き合いは、順調に始まったようだ。


その日食べたミク殿の『ネギ炒飯』は、とても珍妙な味がした。






2009.11・24


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あきゅろす。
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