仁王柳生
僕らの約束
「―ひろ、やくそくだからな」
少年は眼鏡をかけた少年にぎゅうっと抱き付き、言った。
「はい。やくそくです」
ひろ、と呼ばれた少年は、右肩に顔を埋めている少年に優しく微笑む。
亜麻色の髪に、琥珀色の瞳。
つり目がちで凛とした、人形のように整った顔立ち。
二人の少年は髪型と片方の少年が眼鏡をかけていること以外、全く同じ外見をしていた。
「おれたちはずっとずっと、いっしょにいるんだ」
怒っているような泣き出しそうな声で更にぎゅうっと抱き締めてくる少年の背を、少年は優しく抱き締めた。
「ずぅっといっしょですよ。まさはる―」
(雅治。幼い頃にあなたと交わした約束を、叶えることは出来なかったけれど)
(のぅ比呂。あの時の約束、絶対叶えるけぇ。これから覚悟しときんしゃい?)
2009.7・1
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