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十二月シリーズ
霜月と皐月※
何でいつも俺なんだよ。


小さい頃からずっとあの馬鹿の尻拭いばっかりやらされて、誰もそれに疑問を抱かない。
高々片親が兄弟というだけで何で俺が自分がやった訳でもないことを謝り倒さなきゃいけないんだ。

『霜くん、颯葵のことどうかどうか、よろしくお願いね』

『こんなことになって…お前は一体何をしていたんだ?颯葵から目を離すなと言っただろう』

『颯葵くんのことなんだけど…』

『もうこの子は手に終えませんっこの子を連れて出てって!』


「霜、どうして人を殺しちゃダメなの?」


血塗れになるほど人を殴っといてきょとん、とした顔で聞いてくるヤツの気持ち何か、俺には分からない。
分かりたくも無い。


それが何でこんなことになってんだよ…!


「ぅあ…どけ、っ…て」

勝手に人の上に跨がってるヤツの腕を掴む。

「そう、そう」

無駄な馬鹿力は舌ったらずに俺の名前を読んで、グチュグチュと身体を動かした。

「止めろって颯葵、てめぇ…殺すぞ…っ」

腕はビクとも動かず、下半身を締め付けられる心地好さに息が漏れる。

「そう。きもちいー」

裸で俺の上に乗っかった颯葵は、ケツに俺の性器を突っ込んだまま自分のぺニスを弄った。
楽しそうにクスクスと笑っている。

こいつに童貞まで奪われるなんて思ってもなかった。

いきなり床に突き飛ばされたと思ったら、性器をしゃぶられ自ら解した穴に俺のぺニスを咥え込んだ。
俺は収縮する内部に耐え切れず颯葵の中に一回出して、快感なんだか殺意なんだか分からない感情で颯葵を見ている。

「クソッタレ…っ!」

一人喘いでいる宇宙人と話が通じるとは思っていないが、あまりの情けなさに涙が出そうになった。
きゅうきゅうと締め付けられ悦んでいる息子を切り落としてやりたい。

与えられる快感は茹だるように熱いのに、その奥は驚くほど冷め切っていた。

「あ…イク…」

ぺニスをぐちゃぐちゃと弄っていた颯葵はもう片方の手で身体を支えると、ズルリと俺の先端あたりまでぺニスを抜き、そのまま身体を落とす。

「あぁああああぁっ」

「…っぁ、い…っ」

颯葵が盛大に俺の腹と顔に精液を撒き散らすのと同時に、俺も颯葵の中に本日二度目の射精を果たした。

「ぁ、は…」

くぷ、と音がしてぺニスを覆っていた温もりが離れていく。
物欲しげに身体がブルリと震えた。

「マズい」

抜いても相変わらず俺を跨いだままの颯葵が、俺のシャツに付いた自分の精液を舐めて派手に顔を顰める。

「お前が勝手に出したんだろっ!いいから早く退け!」

気だるい身体を無理矢理動かし、颯葵の身体を引き摺り落とす。

「んー…」

冷たい床の上に転がった颯葵は、そのまま身体を猫のように丸めて寝息を立て始めた。

「な…」

唖然とする。
下半身を精液まみれにしてスヤスヤ眠るこいつの神経が、理解出来ない。

「つーか後始末は俺がやれって…か?」

頬が引き攣った。
こいつに一般常識を説くことほど無駄な物はないとそれはもうよく知っているが、こんなに殺意漲ったのはある意味初めてだ。

…別に初めては好きな人と、と決めていたわけではないが。

俺は心で渦巻く感情を溜め息を吐くことで吐き出(そうと努力)して、子供のまま精神の成長が止まってしまった従弟を浴槽に連れていくため嫌々立ち上がった。




十一×五。
読んでいただきありがとうございました。

2009.12・26


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あきゅろす。
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