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C
 
 トリシャ。
 愛しい、トリシャ。
 とうとう最後の時が来たよ。
 僕はやっと君のところへ行ける。

 奴らはまだ懸命に僕を生かそうとしているけれど、そんなのもう全然無駄だ。
 奴らが僕に呼びかける。死ぬな、まだ死ぬな、とそう言う。
 お前らの呼びかけなどに応えてやるもんか。

 ざまぁみろ。僕は逝く。
 僕はやっとこの暗闇から解放されるんだ………




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『次のニュースです。
 オーストラリア大陸に特有の有袋類、その中でも特に貴重なフクロオオカミの最後の一頭・オスのベンジャミンが死にました。
 フクロオオカミはかつてオーストラリアに数多く生息していましたが、人間の入植によって乱獲され、家畜を襲う害獣として大量に虐殺されました。
 我々人類は、このような過ちを二度と繰り返さないよう……』




********




 いつか、きっと。

 あの怪物たちが全滅する日がやって来る。
 そしてもう一度ここに平和で穏やかな環境が戻ってくる。

 その時までのしばらくの間、僕は眠ろう。
 目を閉じて、その日を待ち続けよう。

 いつか、きっと。

 あの怪物たちがこの世から一匹残らず居なくなって、全き平和な日々が訪れる。
 そうしたら……。

 トリシャ、もう一度ここで逢おう。
 君と、子供たちと、仲間と――。みんなで幸せに暮らそう。

 楽園となったこの星で。
 いつまでも、いつまでも。永遠に。







《おわり》


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