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仮に、地球の寿命全体を『1年=365日』にたとえるとすると、人間という生き物がこの地球上に現れたのは、大晦日の夕刻ぐらいにあたると聞いたことがある。
それから現在まで。ほんの短い間にたくさんの種が、この地上から姿を消した。
そして人為的な理由によって絶滅した動植物の数は、人間が誕生する前のそれらの比ではないという。
【 楽 園 】
僕は暗闇の中にいる。
トリシャ。
どうしてこんなに暗いんだろう?
君の姿が見えない、トリシャ。
ああ、そうだ。君はもういないんだ。
もうどんなに探しても、君を見つけられない。僕がどんなに君を呼んでも、君は応えてくれないんだね。
トリシャ。僕はとうとうひとりになってしまった。
あの怪物――見たこともない恐ろしい姿をしたあの怪物たちに、みんなみんな殺されてしまった。トリシャ、君も。仲間も、家族も、子供たちも。
僕ひとりが生き残ってしまった。
こうして、暗闇の中に。たったひとりぼっちで。
僕はいっそ死んでしまいたい。君の後を追って、子供たちの後を追って、仲間の後を追って。
ひとりでいることなんて耐えられないよ。みんなのそばに僕も行きたい。
けれど、僕は死ねない。
なぜだか分かるかい?
あの怪物たちが、僕を死なせてくれないのさ。
いくら僕が死のうとしても、あいつらはそれさえ許してくれない。どうにかして僕を生き永らえさせようと、あいつらはいろんなことを僕にする。
……もう、僕は僕じゃないのかも知れない。
トリシャ。いつになったら君のところへ行けるのだろう。いつになったら君に会えるんだろう。
もしももう一度会えたら、君は僕だと分かってくれるかい?
たとえ僕がどんな姿になってしまっていても。君は僕を見つけてくれるかい?
そしてもう一度、僕たちは幸せになれるだろうか。君と、子供たちと、仲間と。みんなで昔のように幸せに暮らせるだろうか。
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