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その他の短編小説
あとがき
これはずいぶん以前に書いたものです。
正確なところは分かりませんが、おそらく2004年の夏ぐらいだったと思います。

私が某テレビ局の特別番組で、かつてオーストラリアに生息し今は絶滅した有袋類たちのことを知ったのは、まだ高校生の時だったと思います。
その中にフクロオオカミがいて、最後の生き残りであるベンジャミンの生前の姿を撮影した貴重なVTRが流されたのです。

……ものすごい衝撃を受けました。

およそ百年前の不鮮明な映像だというのに、ベンジャミンのこちらに向けられた虚ろな目が、全身から漂う絶望感というか孤独感が、あまりにもリアルで印象的だったのです。
その瞬間、私は思いました。「いつかベンジャミンのお話を書こう」と。

時を経て、思いがけずこういう形で実現することが出来ました。
この『楽園』と、もう一つ『象牙の塔』は、まだ子供だった私が、テレビから得たわずかばかりの真実に心動かされ、自分が感じたことを純粋に「何かの形で表現したい」と思って書いたお話です。

今読み返すと本当に拙い作品ではありますが、少しでも皆さまに楽しんでいただけたなら幸いです。


(初出…不明。おそらく2004年の夏頃)

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あきゅろす。
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