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万華鏡
あとがき
 今回はちょっと番外編ぽいお話です。
 猫又の白妙が、まだ普通の猫『ましろ』だった頃のお話。

 本当に久しぶりに文章を書きました。
 あまりに久しぶり過ぎて、いろんなことを忘れていて、自分でもびっくりしました。

 まず語彙が恐ろしく減っている事。
 もともと多くないのに、半年以上も文章を書かない&読まない生活をしていたせいで、いざ書こうとすると同じ言葉しか浮かんでこないんです。
 正直、愕然としました。

 それから、表現のさじ加減をすっかり忘れている事。これにも焦りました。
 大概そうだと思うんですが、お話を書く時、そのお話すべてのエピソードを書いたりはしませんよね。
 表には出て来ない伏線があったり、各登場人物たちの事情や過去があったり。実際には、表に出てる倍か三倍くらいの量だと思います。
 その膨大な情報の中から、必要な部分を選り分けて、それらを上手く繋いでいかなくてはならないんですが、そのやり方をほとんど忘れておりました。

 『螢の宵』について、書きたいことを全部書いたら、とんでもない長編になってしまったはずです。
 それを削って削って、でも肝心な部分は残して……。その作業をするのに、こんなに手間取るとは思いませんでした。

 今回、当初の予定では入れるはずだったのに、敢えて削ぎ落としたエピソードが5つあります。
 @死ぬ間際の浅黄が、ましろに妙姫のことを託す場面
 Aましろがどうして、またどうやって猫又になったのか
 B朔仁と妙姫の別離の理由
 C妙姫の臨終
 D荒野に一人残された朔仁が、屋敷跡で発見したもの
以上です。

 最後まで迷いながら、でも自分なりに納得できる書き方をしたつもりです。
 今回のお話は、皆さまに少しでも楽しんでいただけたでしょうか?


2010/8/18 水名月 拝.

(※2014/9/22に少々加筆修正いたしました)


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