オリーブの木の下で
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空の色はどんな色。
水色、青色、桃色、朱鷺色、群青色・・・
空にはいろんな色があって、そのどれもがとても綺麗で優しい色。
ねえ、空。
いつも優しくておおらかで、誰からも愛される子になって欲しい。
きっと空の名前もそんな想いでつけられたんだよ。
だから幸せになろうね、空。
いつも、みんなで一緒に笑っていようね。
ココ&空シリーズB
【オリーブの木の下で】
〜 空との出逢いのお話 〜
莉子(りこ)と私――ココ(湖子)の生活はすごくうまくいっている。
あの不思議な羽のおかげで、突然人間語が話せるようになったときはとても驚いたけれど、それもまあ無事に解決できた。
何故なら、あの事件からほどなくして判明したことだが、私はすべての人間と話せるわけではないらしい。
私は立派な室内猫なので、まだそれほど多くの人間と接したわけではないけれど、今のところ私の言葉が通じるのは、私の飼い主――この言葉を莉子はとても嫌う。私と莉子は『家族』であって、ペットと飼い主などでは断じてないと言い張るのだ――の莉子だけだ。
もしかしたら、莉子のほうが猫語を話せるようになったのかとも思ったが、莉子は猫語も犬語もフェレット語もまったく理解できていない。
つまり、お互いの言葉を理解できるのは私と莉子の間だけなのだ。何とも不思議と言うか、都合がいいと言うか……。
とにかく、これは莉子が昔一緒に暮らしていた黒猫の海斗(カイト)からの贈り物だという莉子の見解はどうやら当たっているらしい。
猫も天使になると凄いことが出来るようになるんだね。
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