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猫目堂
あとがき
ずいぶん時間が経ってしまいましたが、『猫目堂』の最後のお話をお届けいたします。

いま改めて読み返すとぶっきらぼうで拙いお話だったなぁ、と思いますが、やはりこれで良かったと言うか、この拙さこそが『猫目堂』なんだと思いもします。
大分以前にも書いたと思いますが、『猫目堂』を書く少し前まで、私はたくさんの本を読み、そこから得た知識や表現をどのように自分の文章として駆使するかということにこだわっていました。自分にしか見えない世界の形や色や匂いや音、登場人物たちの内面…そういうものを事細かに丁寧に表現する事にこだわっていたんですね。
でも『猫目堂』は、それとは全く逆に、やわらかく平易な言葉で、より多くを語りすぎないように気をつけながら書きました。
『猫目堂』は『猫目堂』を読んでくれる「誰か」のために。そう思いながら書いていました。

ここまで『猫目堂』を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
皆さまの心の中に、『猫目堂』とそこに登場する生き物たちは、ほんの少しでも何かを残せたでしょうか?


2017/2/12 水名月 拝
(初出 2005年6月)


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