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Delusions ーshort storyー
キタ、キタ、ココニキタ。(朝菊)



春なので思いつきの入学式ネタ。朝と菊が同級生ですw
春は全てのハジマリ。





四月上旬。眩しいほどの青空が広がる昼下がり。

公園の桜はもう満開で、薄桃の仄かな香りが鼻を擽る。


今日から新しい生活が始まる。


「カークランドさーん!」

後ろから俺を呼ぶ声。

「あ、本田…
離任式ぶり…だな。」
「こんにちは。お久し振りです。」

中学校の頃に知り合った彼。
俺は彼のことが好きだ。

…まぁ、彼自身は俺をどう思っているのかは知らないけど。

「まさかまた同じ学校に通えるだなんて思ってませんでしたよ。」
「あぁ…だよな。倍率も例年通り凄まじく高かったし。
俺、ぜってー落ちると思ってたよ。」
「カークランドさんはサッカーの裁量枠に入っていたんですから落ちるはずがありませんよ。
部活は勿論サッカーですよね?」
「まぁな……
本田は?何部に入るつもりなんだ?」
「そうですねぇ…私はまだ何も考えてないです。
ただ、文化部に入ろうかなー、としか…」
「ふぅん…」

俺はちらちらと彼を見た。

新しい制服はまだ馴染んでいないらしく、少しだけブカブカだった。

「それにしてもカークランドさん……」
「ん?」
「制服、お似合いですね。」


彼はにこりと微笑んだ。


「うぇっ?!あ、あぁ…Thank you...
あ…お、お前も似合ってるぜ?」
「ふふっ、ありがとうございます。
けどこれ、まだ違和感があるんですよねぇ…」
「ずっと学ランだったからじゃねぇか?形が全然違うし…」
「そうですね…確かに身に付けるものが以前よりも多くなった気がします…
ネクタイも結ばないといけないし…」
「慣れるのも大変だよな。」
「ですね。」


俺達は顔を見合わせて笑った。



暫く話した後で俺は言った。


「あ、そうだ…なぁ、本田?」
「はい?」
「あの…さ、折角高校生になったんだし、名字呼び止めて名前呼びにしないか?」
「…と、言いますと?」
「あー…いや、だからつまり…俺がお前を『菊』って呼んで、お前が俺を『アーサー』って呼ぶんだ。
べ、別に嫌なら呼ばなくても…」
「アーサー…さん?」
「え。」
「アーサーさん、ですね?」

にこりと菊は笑った。

「そっ…そう!そうだ、菊!」
「あ、良かった…覚えててくれたんですね。」
「え?」
「私の名前です。」
「あっ…当たり前だろ!?」


忘れられる訳がない。

ずっと、そう呼びたかったんだから。


「菊〜!何してるあるか〜!」

後ろで菊の兄の声がした。

「あ、じゃあ私はここで…
また入学式で。」
「あぁ…またな、菊!」

菊は足早に兄の元へ行った。


「アーサー、マミーが呼んでるぞ〜!」


中学の始業式から帰ってきた弟のアルフレッドが俺を呼んだ。


「…おう!」



春は全てのハジマリ。

またひとつ、俺は前に進んだ。















あとがき的な。

どうも、明日が入学式な椿 嶷蓮でございます。
無事に合格しましたw

今回の朝菊はそれに軽く合わせて高校の入学式設定です。
まだ友達止まりな二人が新しい高校生活の中でどう進展していくのかぽぽぽぽーんと妄想してます。←

即席過ぎて話がいつも以上によく分からないですがそこは堪忍したってください。
ではでは。(`・ω・´)ノ




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