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Delusions ーshort storyー
NBT (アルイヴァ)






君に伝えたい事なんて別に大したことなんかじゃないんだ。

「殺したい?」って言えば「僕もだよ。」って返事するだろうし

「死にたい?」って聞けば「君が死んでくれたらね。」って答えるだろうからね。

けどさ、これならどうだろう?


「愛してる?」

「………」


こればかりは言葉を詰まらせた。


「それを訊いて何になるの?」
「君の言葉を聞きたいから、ただそれだけだよ。」
「じゃあ君が先に言ったら答えてあげる。」
「何だい、それ。」
「ただ単に僕も聞きたいだけだからだよ。君の言葉をね。」


今日ばかりは可笑しいな。

今日は鸚鵡返しばかりだ。


別にただ気になって聞いてみた、他愛ない質問なのに。


「…何で今日はそんなに意地になって返すんだい?」
「そんな事、君が一番知っているはずでしょう?」
「知らないよ。」


そんなに意地になられたら余計に気になるじゃないか。


「じゃあさ、同時にせーので言おうか?」
「何で俺が君の提案に乗らなきゃいけないんだい?」
「そうしないと埒が明かないでしょう?」
「…じゃあ乗ってあげるよ。」
「素直じゃないよね、君。」

何故か互いに向き合って、軽く見つめ合う。


「せーの、」



「「愛してない。」」



言い終わった瞬間、また見つめ合う。


「…被っちゃったね。」
「…被っちゃいけないルールなんてあったっけ?」
「無いね。」
「じゃ、もうそれでいいんじゃないかい?」


俺は笑った。
そのあとに彼も笑った。


冷たい俺達の関係。

大体は反対の意味を持つんだ。


「殺したい?」は「殺したくないでしょう?」で、
「僕もだよ。」は「僕も殺したくないよ。」

「死にたい?」は「生きたい?」で、
「君が死んでくれたらね。」は「君が生きてくれたらね。」

そんな感じの具合で。

俺達は無意味な喧嘩をするんだ。
けど、これが俺達の愛情表現。

素直になればいい?そんなこと、出来る訳がない。

素直になれば、意味がストレートになりすぎてつまらないじゃないか。

だから俺達は何周か回り道して伝え合う。

殺意でも愛情でも失意でも欲情でも。


全ては意味のない愛の為に。













あとがき的な。

毎度、椿 嶷蓮です。

タイトルはアルんちでの略語です。どこで使うかは分かりませんが…←

何と無く殺伐書いてみました。全ては思い付きです。ノリです。ごめんなさい。←

では今日はここまで!



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