〜記憶と時間と契約と〜 落とし物 タッタッ という音をたてながら俺は階段を上り、屋上のドアの前にたどり着いた ガチャ という音をたてドアを開く と同時に俺の体を涼しい風が吹き抜けた 髪と服を揺らしながら屋上に目をやる 昼食をとっているもの 本を読んでいるまの 寝ているもの いつもより静まり返った雰囲気の中、俺の目には様々な人が目にうつったが美奈の姿は、ない 「ここにも来てねぇか〜」 と、俺が残念な声をあげた 瞬間、後ろから誰かの声がした 「君は人間の存在を信じるか?」 とたんに俺は後ろを振り向く が、後ろにはただただ白い壁があるだけだ 「気のせい、か」 そして俺は再び屋上に目をやり、足を踏み入れた [*前へ][次へ#] [戻る] |