あいかわらずな僕ら 2 その様子を、射るような視線で、教室の入口から眺めている者がいた。 ただでさえ、1年の教室に先輩がいるだけでも目立つのに、学内の名物男がものすごい殺気を放って立っているものだから、自然とクラスの視線は入口に集まった。 「…おい、アイツ誰?」 倶庵は、通りすがった男子生徒の肩をつかむ。 低い、不機嫌な声に、生徒はビクッとする。 「あ…あの、瀬名です。瀬名修司…テニス部の…」 倶「ふ―ん…」 瀬名は、そんな入口での様子に気付かず、勝の口の中をのぞきこんでいた。 よく見えなかったから、頬に手をあてて、角度を変えた。 倶「!!」 修「どこ?」 勝「ほふぁ、ふぉふぉ、ふぉふぉ(ほら、そこそこ)」 倶「―テメェ、なに気安く触ってんだ!!」 2人の間に立ち、修司の腕をガッと持ち上げた。 勝も修司もびっくり。 勝「倶庵?!どうしたの?」 倶「どうしたもこうしたもねェ。勝に勝手に触んな!!勝も、オレ以外に触らせちゃだめ!!」 何様? 倶「…と、アレ?」 そこに来てようやく、瀬名の顔に見覚えがあることに気付く。 倶「あ、オマエ、あの時警察呼んでくれた…!ああ―、なんだオマエかよ。なんだよ。オマエかよ。」 おまえが何なんだよ。 倶「いや、あん時は助かったよ―。おまえはマブダチだ。」 急に肩を抱く。 変わり身早すぎだ。 修司はあまりのことにきょとんとしている。 そういえばあの時、この先輩も口から血を流していて、さらに委員長にバッドで狙われていたような…。 この先輩に恐れられてる光って一体… [*前へ][次へ#] [戻る] |