あいかわらずな僕ら 2 光「瀬名ぁ―――?お―い、大丈夫ぅ?」 近付いて、目の前で手をヒラヒラと振ってみせる。 光「ククッ、また何か見間違えちゃった…?」 光は煙草を携帯灰皿に押し込んだ。 投げ捨てないあたりはポリシーか。 修「矢野……なんで、たばこ……?」 光「ぼくさぁ、結構瀬名のこと気に入ってんだよね。」 修(瀬名?!) 初めて呼び捨てにされていることに気がつく。 光「あ、下の名前修司だっけ?修司って呼んでもいい?…2人の時だけ。」 瀬名あらため修司は、目をぱちくりしている。 光「ぼくのことも光でいいよ。」 度肝抜かれている修司をよそに、話つづける光。 光「ほんとはさぁ、学級委員とかやる気なかったんだよね。内申のために2年からはと思ってたけど、1年からわざわざ面倒くさいじゃん?」 光「断ろうかとも思ったけど、使えそうなヤツがいたから、一緒ならいいかと思って。」 修「…オレ?」 光「そう。修司はさ、一言ったら十分かってくれるでしょ?ぼく、頭いいヤツは好きなんだよね。」 修「城戸とか、仲いいやついるじゃん…」 なんで、わざわざ俺。 光「勝?勝はいい子だけどダメだよ―。八は説明しなきゃだもん。仕事するんなら、修司みたいなヤツじゃないと。」 腕買われて、嬉しいんだかなんだかよくわからない修司。 そもそも褒めてんのか? 光「修司さぁ―…彼女、いるんだってね?」 急に話題が変えられて、顔を上げる。 修司には、確かに彼女がいた。 同じテニス部の1年生で、告白されて付き合い始めた。だが、まだここ2ヵ月くらいの話。あまり知られていなかったのに。 修「…なんで知ってんの?」 光「ん―、風の噂?」 しっかり調べた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |