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ボカロパロ小説
心拍数#0288
某笑顔動画で見つけたものを小説にしてみました。黒バスの高緑です。
※死ネタ
※10年後の話










俺は突如、病にかかったらしい。
ガンが心臓に乗り移ったようだ。

―後この命も残り僅か。


【心拍数#0288】








「今日から医師になりました、緑間……お前か」

見覚えのある顔と、あの時と同じ声。
そう、真ちゃんだ。
真ちゃん…やっと医師になったんだな。

「なぁ真ちゃん、久しぶりにバスケしねぇ?」

「お前は病気だろう、激しい運動は心臓に悪いのだよ。それに急に倒れたらどうする。見学するべきだ」

本当、全く変わっやしねぇな。
ガンになっちまったのは…仕方ないか。

「わかったよ、じゃあ真ちゃんのシュート見たい」

「………しょうがない奴だな、たいして変わってもいない」

「それは真ちゃんだって。語尾に『なのだよ』をつけるくらいだからなー」

真ちゃんは黙り込み、丸い椅子から立ち上がると白衣に手を突っ込んですたすた歩いた。おいおい、一体何処に行くんだよ…

「行くぞ」

「へ?あ、ちょっと待てよ真ちゃん…!」

俺は真ちゃんの後を追ってゆっくりと歩いた。じゃないと心臓に悪いらしいからね。ガンの病気に…。






体育館。俺は暑苦しい体育館のステージに上がっておとなしく見学をした。真ちゃんはユニフォームに着替えずそのまま転がってきたボールを静かに受け取り、ゴールを見つめ低くしゃがむ。遠くからのシュートは真ちゃんの特技だ。
出た。真ちゃんのお得意3Pシュート。
ボールがちょうど真ん中に、ゴールの中に入った。

「やっぱ真ちゃん、すげぇわ」

にがっと笑う俺。
作り笑いだけど。
真ちゃんは鼻で笑い、俺に近づいてきた。

「これで満足しただろう?高尾。病院に行くぞ」

「へいへい…………うっ…!」

「高尾!?」

俺は突然、コートの真ん中ぐらいの場所に倒れ崩れた。心臓あたりが苦しい。真ちゃんが俺の名を上げて、心配そうな顔。俺の視界はぼやけて真ちゃんの顔なんざ見えない。でもわかったんだ。真ちゃんが俺の事を心配してくれている事を。





―――そこで俺の意識は途切れた。










「…………尾、…………か………!」

ああ…暗い。ここは一体どこなんだ?
誰か教えて…………

「高尾!!しっかりするのだよ!!」

「真……ちゃん?」


なんだよ真ちゃん…
そんならしくない顔して?いつものツンデレ真ちゃんは何処にいったんだ?

え…真ちゃんが……泣いてる…?

「真ちゃん………。
泣くなよ真ちゃん。
ほら、スマイル」

「高尾…」

俺が笑顔を見せると真ちゃんがさらに泣きはじめて……

「死ぬな!高尾!!」

必死なんだな真ちゃん……でも

「今までワガママ聞いてきたけど……」

「高尾…!!」

「今回は聞けねぇよ、エース様…………」

俺の心臓が停止した。高校生活の最後までバスケしてきた真ちゃんと、黒子と先輩達にさよならだな…
最後に………
真ちゃん、ありがとう



楽しかった。



「っ……高尾……」

俺と真ちゃんの思い出、絶対に忘れるなよ。















終わり。




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