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ボカロパロ小説
人柱アリス
暗いくらーい森の中。不気味なところに、
黒くてショートヘアの少年が居た。その少年の名は、『夢』。
ただじっとしてるだけでは、全然つまらない。少しの沈黙の後に、少年は思いついた。人間をこの世界に連れていき、殺してゆく。

「………なんて、面白そうな事なんだろう……ふふふ」

そして、少年の身体は消えていった。
不敵な笑みを浮かべながら……………。
そう、この物語は
不思議の国をイメージして描いた絵本…



―――人柱アリスであった。










【人柱アリス】









一人だけ、森の探索をしていた男がいた。片手に、戦闘用の剣。
その男はまさに勇ましく、何でも切るという。
名は――…ベジータ。
まず一人目のアリスだ。

ベジータはただただ真っ直ぐ歩いていると、フワリと小さな少年が目の前に現れた。一体何処から現れやがった。ベジータは目を細める。

「――――……どっから現れたのか定かだが、ここは危険だ。ガキがこんなところでうろついては駄目だろう。サッサと親の居る場所へ戻れ」

「僕、親なんていないもの。僕は死んだんだ。死んで、肉体が出来たんだよ。小さな細胞(カケラ)でね。…それより、不思議の国に行ってみない?面白いよ、アッチは。天国よりは、マシかもね…」

不思議の国とはあの世の事である。
つまり少年が言いたい事は、
『死んで欲しい』の意味であった。
ベジータは子供相手にも関わらず、下品な言葉を吐いた。

「ふんっ…どうせ、キサマがつまらんだけだろ。くそったれ」

「つまんないから言ってるもん。…ねぇ決まった?行くか行かないか……」

ベジータは舌打ちをし、少年を見下ろした。

「いいだろう…その不思議の国とやらに案内してくれ」

少年はニヤリと笑う。

「いいんだね?二度と戻れなくなっちゃうよ?」

「構わん。サッサと案内しろ」

少年は刀を取り出し、その刀をぐるりと回転させた。
刀の刃が鋭く輝く。

「おまっ…!!さっき案内するとか言ったはず…………」

「確かに言ったけど、お兄さん…勘違いしてるよ。僕は不思議の国へ連れて行ってあげる。、って言ったよね。でもそれは違う意味なんだ。不思議の国はあの世の事。つまり、お兄さんには死んでもらうって事なんだよ……」

ベジータは恐怖に襲われた。そんな事は聞いていない。嘘をついたのか…!?

「って事で…お兄さん、バイバイ」


グザッ


ベジータはその場に倒れ込んだ。起き上がる気配は無い。この少年は一体何者なのか?
子供なのに刀を使え、子供なのに不気味な言葉を吐く少年。
名は『夢』。
ただそれだけだ。



普通の人間では無い。




「さて…と…。今度は街に行こうかな…ふふふ」

少年はまた、姿を消した。
次の目的地は…街だ。












街。たくさんの人が埋まるような広い公園で、一人の青年がいた。
黒の髪に左右に紫の髪。ゴテンクスが歌を歌っていた。
それは綺麗な音で、周囲の徒歩者も魅了され、立ち止まって彼の歌を聴いている。

ふと、ゴテンクスの独唱が終わった。表情はまるで、何者かに侵されているような顔。


「どーしたの、お兄さーん?」

「早く歌ってー」

「早くぅ!」

徒歩者がゴテンクスを焦らせる。
みんな聴きたいのだろう。ゴテンクスの歌声が。そして…
小さな声で歌い出す。

「二番目アリスはおとなしく………歌を歌って…不思議の国……色んな音を溢れさせて…狂った世界を生み出した……」

すると男女等は今まで沈黙していたゴテンクスの方を見て、一気に歓喜を浴びせた。

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