ボカロパロ小説
悪食娘コンチータ※
とある森の奥…
旅人が良く通るところに一つの館(やかた)があった。
だが、館を訪れた旅人は二度と町に戻れなくなる恐ろしい館だ。
その館の中には、悪食王子がいたのだった…。
「ベジータ様は、いくつまで料理をお食べるつもりなんだろう」
台所にいたコックが呟く。
「さあ…」
その隣のコックも呟いて首を傾げた。ベジータ様というのは、食事を極めた人である。旅人を捕まえ食べ物に変える…それこそ究極の悪食だ。
「何十年、料理させられたのか。休む暇がないよ」
「でも、辞める訳にもいかないしねぇ」
コック達が話す、ベジータ様はとても恐ろしいお方なのだ。
とても………
【悪食娘コンチータ】
食堂。真ん中にベジータ様が大きな椅子に座っていた。
後ろに、右にゴジータ、左にベジットの召使二人がいたのだ。
「ベジータ様、本日のメニューは」
「捕まえたばかりの旅人の肉でございます」
ベジットとゴジータは交互に言う。ベジータ様は静かに微笑む。
ベジータ様は目を細めた。
「ほぉ…旅人の肉…か。美味そうだな、持ってこい」
言った途端、コックが扉を開き、テーブルの上に皿を乗せた。赤い血の独特な匂いが漂う。
「ふんっ、いい匂いしてるじゃねぇかよ。女か…肉が柔らかいからな。じゃ、頂くぜ」
ベジータ様は、あっという間に、美味しそうに肉を平らげた。口の周りに真っ赤な血が所々ある。
「まだまだ足りねぇな………おい」
ベジータ様は後ろにいる召使二人に尋ねた。
「ただいま、旅人を狩りに行っておられます」
「少々お待ちください」
「………ちっ」
ベジータ様は舌打ちをした。小腹が空く。
数分後、苛立つベジータ様の前に出来立ての旅人のコーンスープあえが置かれた。
その上に、青白く輝く猛毒が。
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