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ボカロパロ小説
ココロ
僕は、孤独な科学者に造られたロボット。

出来栄えを言うなら、“奇跡”。
僕は自分で、「心」の意味を知った。




【ココロ】





人には、心という感情表現があるらしい。悲しみ、喜び。
一人のロボットは、その心の意味を知る。

「………。」

「目覚めたようだね。はじめまして、ベジット。僕は君を造った科学者だ。よろしくね。」

博士の顔が覗き込む。
微笑みを浮かべるゴジータ博士は、
ベジットの背中に複数のコンセントを順番に抜く。

「ヨロシクオネガイシマス、ハカセ。」

科学者の名前や、自分の名前。分からない言葉なんて一つもない。ただし、一つだけ足りない、できない事があった。
それは『ココロ』というプログラム。

博士と一緒に本を読んで、
博士の話を聞いたり。
時々、博士は研究室で頭を抱えて考えて考えて、ついには研究が終わる。
博士は楽しそうだった。こんなにも大変なのに。



時が過ぎた頃は、もう博士はいなかった。一人だけ、残されたのだ。

ベジットは桜の木の前に立つ。

「ハカセ…」

一言呟く。
ロボットは願う。あの日あの時、一緒に過ごせた日々。
なんで今まで気付かなかったのだろうか。ベジットは博士の研究室に戻る。
古びたパソコンを見て、ベジットは呟く。僕にツクッテタ、『ココロ』…。

ベジットは、博士のパソコンに触れる。
キーボードを手慣れた手つきで何かを入力する。すると画面にココロ プログラムという画面に変わった。ベジットはキーボードのどれかを押す。

ピカッ!

光に包まれたベジット。
しかしその光は消え、現実へと戻った。
するとどうだろうか。ベジットの目から初めて、多数の雫が流れ落ちた。涙が止まらない。おまけに、機械の身体がガクガク震える。加速するキセキと加速する鼓動。

「ナぜか…ナミダが……止まらナイ…っ!!」

ナぜ、僕は震えるのだろうか…。
心臓も無いはずなのに、胸の中の奥が何かに引き締められているような痛み。

こレが、僕の望んだココロ?
ココロが…イタイ。

フシギ ココロ
ココロ フシギ

僕は知った。嬉ぶ事を。

フシギ ココロ
ココロ フシギ

僕は知った。悲しむ事を。

フシギ ココロ
ココロ ムゲン

なんて深く、切ないんだろうか………。

今気付きはじめた。自分が生まれた理由を。博士は大切な人を亡くし、一人ぼっちで、
僕を生み出した。だから一人は寂しいだろう。僕も、一人になるのはちょっぴり怖い。
そう、あの日、あの時。全ての記憶に、宿る心が…溢れ出す。
ベジットは歌い出した。博士に、
ありがとうの感謝を。

アリガトウ、アリガトウ。この世に僕を生んでくれて。
アリガトウ、アリガトウ。一緒に過ごせた日々を。
アリガトウ、アリガトウ。貴方が僕にくれた全て。
アリガトウ、アリガトウ。永遠に歌う。

アリガトウ、アリガトウ。たくさんのありがとうを伝えよう。

アリガトウ、アリガトウ……。

バタン………………

「………ハ………………カ、セ……」




〔エラー…エラー…エラー…エ……〕

プツンッ





それはまさに奇跡でした。
"ココロ"を手に入れたロボットは歌い続けました。
思いを全てを。
しかし、その奇跡もつかの間。
"ココロ"は彼にはあまりにも大きすぎました。
その大きさに耐えられず機械はショートし、
二度と動く事はありませんでした。
しかし、その表情は笑顔に満ち溢れ、
まるで天使のようでした。






End




さーてと、最後のところは『ココロ・キセキ』と全くおんなじですねwww
ま、いっかぁ。←
最後まで読んでくださりありがとうございました!
目からブリオッシュだよ!!このココロっていう曲。ウォークマンで聴きながら小説打ってますああああ←←←

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あきゅろす。
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