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「……っ、そんなに見ないでくださいマスター!」
カイトは肩に半端に掛かったままだったタオルで顔を覆った。
隠しきれてない少しだけ見える耳は真っ赤で、なんだか滑稽だった。

手を伸ばし、青い髪をわしわしと撫でる。

「耳、真っ赤。それ、隠す意味ないだろ」

タオルをずり下げ、おずおずと目だけをマスターへ向け、マスターの表情を目にする。すると、今までの焦りが嘘のようにカイトは瞳を輝かせた。

「…‥?カイト、どうした?」

「ぁ…‥、いえ‥そのっ!何でもないです!!あ、そうそう!冷蔵庫のアイス、食べて良いのか訊きにきたってのが当初の目的だったんですよ!良いですか?アイス食べても」

「……?まぁ‥良いけど。俺の分は残せよ?あと、夕飯分の腹は空けとけ」

急激に早口でまくし立てられ、マスターは仕方なく腑に落ちないまま、カイトの問いにだけ答える。

「解ってますよ!じゃあアイス食べてきますね〜」
言うなりカイトは立ち上がり、ひょいひょいと書類を避けながら軽い足取りでマスターの部屋を後にした。


「…何だ、アレ」
そこには呆気に取られるマスターだけが、ただ残された。


部屋を飛び出し、キッチンまで跳ねてきたカイトはピタッと立ち止まった。



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あきゅろす。
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