8 あぁ、そうか。 俺はレイを厚顔で、傲岸で不遜な嫌な奴だとしか思っていなかった。 俺の立場なら誰だって仕方ないと思うけど、現状に、俺の境遇に不満をぶちまけ続けて何も見ようとしていなかった。 レイはただ寂しくて俺を呼んだんだ。 ただ誰かに愛されたかったんだ。 ただ、謙る事無く対等な存在が欲しかったんだ。 何でも持ってると思っていた。 顔も良くて地位もある、体格だってパーフェクト。 ガルデの話し振りから民にも慕われてる。 そんな完璧な奴だから、どんなに酷い事を言っても大丈夫だと思っていた。 だって、レイは俺を愛しているから。 与えられる愛の居心地の良さを、思考が芽生えるずっと前、産まれた時から両親に与えられてきた俺と、愛を渇望しているのに、誰からも本当には愛してもらえないレイと、どっちが幸せなんだろう。 俺はそっとレイの目元に指を充て、涙を拭う素振りをした。 「レイ。俺はお前のこと敬ってやらない。お前のかっこわるい所なんて見れた日にはしてやったぜって笑ってやる。ムカつくけど腹にガキがいんなら命を捨てられない。産んでやる。だからレイ、俺たちはこれから一生泣いて笑って怒ってを繰り返すんだ。」 ニッと笑ってやると、何もなかった筈の拭った箇所が濡れていく。 その雫がポタポタと俺の首元に落ちていく。 こいつは本当に泣いても絵になるいけ好かないヤロウだ。 そう思うのに、なぜかこいつが小さな子供に思えて愛しいと感じてしまった。 「おいおい、子供ができる前に大きなガキここに居るんじゃ俺は大変だな。」 荒々しくレイの涙を拭うと、泣きながら笑うという器用な事をしながら、レイは嬉しそうにされるがままになっている。 「ハジメ……ハジメっ!ハジメ!」 ギュッとキツく抱きついてきたかと思うと性急なキスの雨を降らしてくる。 そのまま、ドロドロの下肢にいつの間にか血管が浮き、腹に付く程勃起したレイの先端を宛てがわられ、ゆっくりと含ませていく。 あぁ。この甘い疼きはなんなんだろう。 レイが腰を打ち付けてくる度、互いの皮膚と皮膚が触れ合う度、もっと触れ合いたいと思ってしまう。 今までヒモロギの媚薬効果だと思っていたのに、ちくしょう、気持ちいいじゃないか。 全てを埋めても俺の負担を考え動こうとしないレイ。 辛そうに眉根を寄せているくせに、いつもの鬼畜絶倫っぷりはどうした。 「はっ、なに猫被ってんだよ。ケツん中がお前のせいで疼くんだよ、動けよ。レイ。」 俺の言葉に一瞬驚くも、ゆるゆると腰を振ってやるとニヤリといつものニヒルな笑みを浮かべ、俺の腰を掴んできた。 そこからは猛烈な突きを腸壁全体に漫然なく与えられ、俺は喘ぐ。 「っは、っは、っは、ぅ!あぁ!ぁ、ぁ、ぁ、ぁっ!そこっ!はぁ…あぁぁぁあああ!!!」 激しく降りたくられる腰に、下肢は痺れる程の快感を味わう。 もう出るモノがなくても身体は感じ、絶頂を味わう。 俺の上で、まさに獣のように腰を振りたくり、喰われるんじゃないかと思う程荒い息遣いが響く。 バチュン!ぐちゅん!パン!バチュン!グチっグチュ!パンパチュン! ぐちょぐちょに溶け合った秘所にジンジンとした疼きが現れては、レイの固い肉棒でゴシゴシと激しく掻き潰され、快感が襲ってくる。 疼き、感じ、疼き、達く。 俺の嬌声と、レイの荒い息遣い、互いの肉と肉とがぶつかり合う音、そして俺の後孔から引っ切りなしに漏れる淫らな水音。 いつもの後ろから貫かれる体勢に返され、人間業ではありえない早さでぶっとい肉棒を抜き差しし始める。 パンっ!パンっ!パンっ!パンっ!パンっ!パンっ! 目の前の闇が揺れる。 俺の身体も揺れる。 腹につく程に成長した性器が揺れる。 互いの淫液が飛び散る。 それでも俺たちは腰を振るのを止められない。 「……っく!!!!!」 バチュンと腸壁の奥の奥、子供が居るだろう最奥にレイの先端が辿り着き、ぶるりと震えたかと思うと、根元が一気に迫り上がってきた。 あの小さな蕾のどこにこんな凶器が入るのか、ぎっちりと銜え込まされた瞬間から、逞しい雄の先端から白濁が吹き出した。 びゅびゅびゅううううううううううう! たとえ二度目だろうと、勢いが衰える事無く溢れ出す精液。 「あぁ。はぁあ。あぁん……」 溶けた頭では腹を圧迫するちんこも精液も快感に捉えてしまうのか、俺は頽れた上体のまま、虚ろな瞳を寝具に向けぽかりと開いた口から感じ入った声を発していた。 「本当に、ハジメは淫乱だ。」 嬉しそうに笑うレイに怒る気力もない俺。 「もっ。ムリ。」 このまま眠りの世界に向かおうと、ゆっくりと瞼を重力に任せて閉じていく。 ようやく長い長い射精が終わったレイの男根がずるりと胎内から抜けていく。 ゴボッ!ゴボボボっ!! まるでケツから射精しているかのごとく、大量に注がれた精が逆流していく。 恥ずかしいとか思う余裕も無い程、脹れた腹から少しでも精液を出したい俺は括約筋の力を抜き、白濁が零れるに任せて尻から白い粘液を溢れさす。 粘度の高い液体が、腿に幾つもの川を作りシーツに染みを作っていく。 それすらも敏感な身体には刺激になり、高く掲げた腰がピクピクと痙攣する。 優しく肩を掴まれ、浮き出た鎖骨に触れるだけの優しいキスを落とすレイ。 「ハジメ、まだ寝るには早い。」 行動と言葉が真逆なんだよ、この色欲魔! そう思うも、ゆるゆると自身を扱かれれば、出し尽くた性器はまたむくむくと起き上がる。 親の心子知らずめ!と悪態を付きながらも、今度は容赦なく挿入されたレイの雄に俺は再び快楽が押し寄せるにまかせた。 END 拍手にコメントくださった方ありがとうございました。 ご期待に添えられたか分かりませんが。 またよろしければ読了後のご感想など頂けると幸いです。 [*前へ][次へ#] [戻る] |