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笑顔を君に送るから / 日吉



 時間が止まってはくれないように
 先輩達の卒業も止まってはくれない


 ゆっくりと季節の色が
 変わりゆき
 柔らかな春の陽射しに包まれ
 また桃色の季節が
 訪れてしまった


 今まで団結や協力し合った先輩方とは
 今日でお別れ
 先輩方は氷帝学園を去る
 例え高等部と中等部が隣で
 目とはなのさきとは言えども
 もういなくなるのだ
 中等部には


 「よぉ、日吉」

 「あぁ、跡部さん
  卒業おめでとうございます」

 「そりゃ、ありがとよ
  お前もテニス部のキングとして
  精々頑張れよ」


 そう、これからは俺が
 部を引っ張っていかなければ
 いけなくなる
 200人以上もいる
 このテニス部を

 200人以上なんて
 そんな簡単にまとめられるわけがない
 だが跡部さんはまとめていた
 そして皆尊敬した
 俺もその中の1人だ

 俺はあの人のように
 まとめれるのだろうか?
 尊敬されるだろうか?
 
 だが俺はあんなに凄い人間じゃない
 だから誰かの力が必要だ
 けど誰の力を?
 
 先輩方が居なくなった今
 俺にアドバイスをくれる人などいないし
 手をさしのべてくれる人もいない



 もう、わからない







 「日吉くんっ」

 「...あぁ白鳥先輩」

 「あのね日吉くんに
  笑顔を届けにきたの」

 「は?」

 「最近さ日吉何かに悩んでるじゃない?
  元気なさそうだからさ
  最後に笑顔を届けにきたの
  笑ったら楽になるよ?」


 「よくそんなバカらしいこと
  言えますね」


 「バカとはなによ
  笑っても泣いても今日で
  最後なんだから
  私の笑顔覚えててほしいし
  日吉にも笑っててほしいの!
  日吉も笑いなって
  ほら、ほら!」

 「ちょ、止めてください!
  ほっぺた触らな...っッ
  白鳥先輩っ!!」



 

 (どう?笑ったら少しは
 楽になった?)


 (す.....少し)


 (ほら!言った通りでしょ?)


 自分なりに頑張るか..


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