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キスはアフェットゥオーソに / 芥川



 夕日に染まるテニスコート
 夕日に染まる教室


 「おーい!慈郎ーっ
  いい加減起きて部活行こーっ!
  慈郎がこないから跡部かんかんに
  怒ってるんだからっ」

 「....」

 「ねぇ慈郎ちゃーん!
  起きようよー!」

 「.......」


 本っ当起きないんだから
 ちなみに私の片想いの相手
 慈郎は授業が終わってから
 ずーっと教室で寝ている


 ─ よく見たら可愛い顔して寝てるな
 なんかいい香りがふわふわ香ってくるし
 髪の毛くるくるだしまつ毛長いし
 肌の色しろいし
 唇は綺麗な桃色


 ─ お姫様みたい


 まぁ慈郎ちゃんはずっと寝てるから
 眠り姫ってとこかな



 って!
 こんなこと考えてる場合じゃないって私


 体揺すったら起きるかな?


 ゙ゆさゆさっ゙

 「慈郎ちゃーん」

 「.....ぅーん」

 ああやっと起きた眠り姫
 起こすのに20分も
 かかっちゃったから
 跡部に怒られるな


 「部活行こっ!慈郎」

 「..白鳥〜っ
  俺さ隠してたけど実は眠り姫なの
  白雪姫なの〜っ
  だから、ちゅうしてくれないと
  目覚めないんだ〜」




 「じ、慈郎がおかしい!
  え、えぇえと...
  私はどうすれば..」

 「だからね〜、王子様が
 ちゅうしてくれなきゃ俺起きないよ?」



 そう言って微笑んだ慈郎



 え...?
 私はどうしたら?
 しかも私王子様??
 

 「白鳥は〜や〜くっ!」


 慈郎のほうをちらり

 ずっと微笑んでる..
 どうしよう..
 けどこれは片想いの私にとって
 もしや大チャンス?
 けどこれは冗談なの?





 んー
 大チャンス?って考えるしかないな私
 っていう考えでいこう





 「じゃあ...目、つむってよ」

 「は〜いっ」


 慈郎は瞳をつむり
 また眠り姫となる
 私はそっと顔に触れて
 瞼の上におまじないのキス


 (さぁ、目を覚まして)









 


 (....あ、起きない)

 (今さらながら俺はっずかCー
  恥ずかしくて寝たふりしてるのが
 精一杯だCーっ)



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あきゅろす。
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