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ラブ・オン・ザ・ショートケイク / 跡部

 事件は起きた
 それは火曜日の昼休みに


 ゙ガラガラッ゙


 「おい忍足!!!!」

 「おお、んな慌ててどうしたんや跡部っ」


 あの跡部がA組からH組まで
 全速力で走ってきたらしい
 息も上がっているし
 深刻な顔をしている

 あの跡部が..
 ほんまどないしたんや


 「..お前知ってたか?
  今日マネージャーのクラスが
  調理実習だってことを!!!」


  ─ 何言われるかと思ったら



 「─ そんなことで焦ってたんか..」

 「そ、そんなことだと!?」

 「だって俺、調理実習あるの
  知ってたで」

 「何で俺様に教えなかった忍足!!!
  しかもお菓子作りらしいじゃねえか!」



 ああ、跡部のやつ白鳥のこと
 好きなんやったっけな
 跡部も白鳥のこと好きになってから
 おもろくなったなー
 一生懸命になってるとこが
 おもろくてしかたないなーっ


 「ああ、ケーキちゃん作るらしいな!
  んで?もし欲しいんやったら
  頼んでくればいいやろ?」

 「お、お、俺様が頼むだと?
  んなことするわけ
  ないだろーが!!」


 「へーそうかそうか、
  まあ跡部は人に頼むなんてこと
  出来ない奴やからなー
  なんなら俺がもらって
  こよかなーっ」


 「...俺様がもらってくる」



 ゙タッタッタッタッ゙



 
 すごい勢いで俺の前から走り去る跡部
 ああ、こんな夢中な跡部
 久しぶりに見るなー








 (よし、調理室)

 ゙ガラガラガラッ゙


 「おい白鳥いるか!!!」

 「え?─ あ跡部じゃん!
  どうしたのーっ?」

 白鳥の持ってる皿の上には大量の苺が
 しきつめられているケーキ
 
 「へー、苺ケーキか
  お前どうせあげるやつなんか
  いないんだろ
  俺様がもらってやるよ」

 「え?」

 「俺様に食ってもらえるなんて
  お前もうれしいだろ?
  んじゃ、もらってくぜ!」


 ゙ガラガラッ゙


 「あ、持ってっちゃった」







 ゙タッタッタッ゙


 「おい見ろよ忍足!
  ケーキ貰ってきたぜ
  しかも苺ケーキだぞ?
  まあお前にはやらねーけどな!!!」

 「そらよかったなー
  (白鳥も跡部にあげる言うてたし)
  (お互いよかったやないか)
  んで、食うてみたん?」


 「いや、今から食べんだよ
  んじゃ、いただきます」




 
 (苺とラブ乗せ特製ケーキ)



 (─ なんだこの尋常じゃない甘さは..)
 (んじゃ、俺も一口...)
 (ぁあああ、食うんじゃねえ忍足!!!!!)

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