髪に切望のキス / 宍戸
白鳥の髪って長くてキレイだよね
今までずっとそう言われてきた
けど、それも今日でお別れ
髪に切望のキス
髪を切ろうとしたのは宍戸が
ボーイッシュな子が好きー
って言っているからで、
やっぱり好きな人の好みに合わせたい
それだけの一心で切ることを決めた
そして髪が切り終わり
光る瞳に映るのは
ベリーショートの私
─、ああやっぱり切らなきゃよかった
そう思ったのも私
けど切ろうと思ったのも私
学校行きたくないや
「白鳥髪切ったの!?
あんな長かったのに
けどショートも似合うよ」
その一言が嬉しくて苦しい
「ははっ、ありがと」
ああもう嫌だ
なんで切っちゃったんだろ
後悔ばっかりだ
「白鳥、髪どうしたんだよ!?」
あ、宍戸
けど私はへへっ
もうそうやって笑うしか出来ない
「似合ってんじゃん
その髪凄い良いと思うぜ」
ああ、初めて髪切ってよかったと
思ったかもしれない
どんな不安も一瞬で消してしまう
あなたは魔法使いですか?
髪に切望のキス
(あ、ありがと宍戸)
[前]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!