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ぎゅぎゅっと愛して(若松)



私の彼氏は硬派で、照れ屋で、カッコ良くて、熱血漢です。
バスケ馬鹿と言って良いほどバスケが大好き。
何処にでも居そうだけど、これほどカッコいい人は中々居ないと思うのです。
ガタイが良くて声も大きくて顔も男らしい。
バスケ馬鹿って言っても国語が凄く出来て。
とにかくカッコいいとしか言えないのです。


まあ硬派過ぎて進展は望めないんですけど。

とか自分の中で思い込んでました。

「…………」

「…………」

意外と積極的です。
何ですかこの、あすなろ抱き?みたいな体制は。
まさか後ろから突然抱き締められるとは。

「…………」

「…………」

、これ、座ったまま動けません。
どうしましょう。

「……」

「―!」

首筋に彼の息がかかって、思わず身体が跳ねてしまいました。彼の足の間に座る体制になっている時点で恥ずかしいのに、更に恥ずかしいんですけど。
彼が頭の向きを変えるだけでも髪が触れて、くすぐったい。


「……考輔くん」

「…んだよ」

目を合わせないように顔をそらす考輔くん。……ちょっと耳が赤いです。

「どうしたんですか?」

「何でもねーよ」

「そう?」

「ちょっと、やりたいと思っただけだ」

「!」

考輔くんがそんな事言うとは。さっきから鳴りやまない動機は更に煩くなって、手の回された所に神経が集中していく。

(珍しいな…)

す、と彼の右手が降り、腕を撫でられる。

「!考輔く…」

「お前、ほっせーよ」

「いや、そんな事…」

「細くて、柔らかい」

「!!」

ちょ、心臓が止まりそうなんですけど!考輔くん熱でもあるんじゃ…。

「……」

「……」

う…沈黙になると更に恥ずかしいなあ…。街中でイチャイチャしてるカップルとか今更ですけど凄いですね。

「わり」

「へ、」

突然温もりが消えた。パッと彼の腕は離れていって、そっぽを向いて座ってしまう。
彼の耳は未だ赤い。
頬も赤い。

「……どうしたんですか?」

「や、…………照れた」

「!」

わー。考輔くんが可愛い…。



「う、わ!?」

「…うわって、ちょっと酷くないですか?」

驚いたのか、考輔くんが大きな奇声を上げた。一緒に両腕も上がる。それに私は笑ってしまう。

同じ事しただけなのになぁ。後ろからぎゅーって。

「おま、だ、そ、んな、事を…!」

「ふふ、考輔くんもこーしたんですよ?」

「う」

「私もドキドキしました」


かぁぁぁあと赤くなっていく考輔くんの横顔を見て、キュンとした。
カッコいいばっかじゃなくて、可愛くもあるんだなあ。
お腹に回した片手を、右頬に回す。
ぴくっとした考輔くん。
……引き締まったお腹。キュンキュンしますね。

「…お前さあ…」

「何ですか?

ん、あっ」

とっさに向きを変えた考輔くんにぎゅっと抱き締められた。正面から。
顔が近い。耳に息がかかる。手の回された腰が、熱い。

(は、う…!)

ぎゅっと目を瞑ってしまう。うぁあ恥ずかしい…。

「………なあ」

「ひゃ…ッ」

「恥ずかしいか?」

「う、ぁ、はい…」

「…俺もはずい」

「…考輔くんって」

「……」

「可愛いですよね」

「!!!!」

「(あ)」

そう言った途端、考輔くんはパッと離れた。顔を真っ赤にしたまま、わなわなしてます。
何か気にさわること言いましたっけ?

「お、お前、可愛いって…!」

「?少なくとも私はそう思います」


「いや、そうじゃなくて…」

「?」

「……」

「………」


「…可愛いのは、お前、だろ」

「!」

真っ赤っ赤の顔を隠してそう呟いた。ホントに熱でもあるんじゃ…。
赤面症だから、顔が赤いのは良いとして。

何でしょうこの、積極的に積極的を重ねたみたいな行動力。
こっちが恥ずかしいです。

「考輔くん」

「何…!!!」

こっちを向いた考輔くんの頬に私の唇を重ねたら、チュッと音をさせてキスをした。
ドキドキさせた仕返しですよ、考輔くん。

ぎゅぎゅっと愛して





――――――――

若松は、リードしたいんだけどいつも一杯食わされちゃう感じでどうでしょう^^
彼好きです^^



つぎ

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