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すっぱみかん。
小みかん(中学年)
今でもふと思い出す。小4の頃好きだったかえでさん。白い綺麗な足をスイスイ前に出して走る彼女に運動会で釘付けになった。運動会の後、毎日のように彼女のことを話す私のためを思ってか、友達が二階の窓から、校庭を歩くかえでさんに向かって叫んだ。「カイちゃんが友達にななりたいんだって!」
今だったら調子を合わせて「そうなんですよ〜」とか言えるかもしれない。でもその時の私はなすすべもなく、その場で大泣きしてしまった。顔を真っ赤にして泣く私を見て、かえでさんは何か異質な想いを感じとったのだろうか?彼女はその時から私を避けるようになった。彼女は拒否するしかなかったのだろう。
学校からの帰り道ひたすら泣きながら帰った。何があんなに悲しかったのだろう?この感情は普通じゃないことを悟ったのか。かえでさんにも悟られた気がしたからか。
私はアメリカ人と日本人との間に産まれた、いわゆるハーフである。今はハーフに産まれてよかったと思うが、小学生の私にとって、これ以上に重いリスクもないだろう。小学生は異様に普通を求める。回りと同じでないと不安になる。それは私にも言えることだった。だけど、私は生まれつき普通じゃなかった。

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