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パロディ
HAPPY (三官or官三)
※現パロ
















寝坊した。

慌てて歯を磨こうと思って、歯ブラシが鼻に刺さった。

階段から落ちた。

恐喝された(逃げたが)。

バスが目の前で発車した。

転んだ数は最早数え切れない。




「はぁー…」


今日も今日とて不幸のオンパレード。
小生が不幸を呼ぶ体質なのは嫌なくらい分かっているが、流石にここまで続くとうんざりしてくる。

「慣れればそうでもないかもよー」はよく言われる台詞。
しかしいつになっても慣れることはなく、事実慣れたくもない。

溜め息を吐きつつ、外に出ると



「………げ」



目前に広がる水のカーテン。
昨日の予報では晴れではなかったか?

頭を抱えてみても雨が止むわけもなく。
小生はただ座り込む他なかった。


「しまった……傘忘れた……」


しかももうすぐバスの時間だ。
雨が弱まるのを待って行こうか、それとも風邪を覚悟して行ってしまおうか…

だがどっちにしろずぶ濡れは免れない。



嗚呼やっぱりついてない!!





「…………おい」



不意に頭上から声が降ってきた。
隣に細い脚が見えて、顔を上げると見知った顔があった。


「三成」

「…無様だな、官兵衛」


冷やかしかよ畜生ぉおぉおぉお!!

この男はいつもそうだ!!
小生の事を見下して、蔑んで……

どうせ傘を忘れた小生を笑いに来たのだろう!?
だから三成にだけは見られたくなかったのに!!
あぁあ!!やっぱりついてない!!








「…………間抜けめ」


バシン、と後頭部に衝撃。同時に三成はバシャバシャと音をたてて、雨のカーテンを通り抜け、あっという間に見えなくなった。


「痛…何も叩く事な……ん?」


足元に、さっきまでなかった物が落ちていた。
真っ白なそれは、綺麗に折り畳まれた傘だった。

拾い上げると、咄嗟に思い出す三成の後ろ姿。
親切をすることに慣れない三成は、恐らく真っ赤な顔で走り去ったのだろう。

見てもいない三成の表情を想像しながら、頬が緩むのを感じた。



傘に手をかける。
バサリ、と咲いたそれは真っ白で汚れ1つない。

一歩踏み出せばパラパラとリズミカルに音が鳴る。


「明日、帰さなきゃな」


自然と軽くなる足取りで、バス停へと向かう。

結局バスはまた目の前で発車してしまったが、不思議と嫌ではなかった。






いつの間にか雨は止んでいた。









END









† † † †

後書き

…何故じゃあ、って言わせるの忘れた←

初めてクロカン書きましたよ!!
口調が物凄く心配でなりません!!

嫌いからの恋、いいなぁって思いまして。
新たな一面にキュンときた、みたいな感じですね。
まぁ、多分まだ恋までは発展してないとは思うんですが←


では、ここまで読んで下さり有難う御座いました!!



水城

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