パロディ
君に溺れて (小十佐)
※現パロ
※社会人×社会人
「こじゅーろーさん」
リビングに入った瞬間、にへら〜と締まりのない笑い顔が俺の視界を埋め尽くした。顔が真っ赤だ。
そして足元には酒瓶が3、4本転がっている。
(しかも、アレは俺のへそくりで買った高級な日本酒にそっくりなのだが、気のせいだと思いたい)
「オイ、お前どれだけ飲んだんだ…」
「えー?えーっとねぇ…忘れたー!」
ケラケラと笑う男に何時もの面影はない。まるで子供だ。
俺は頭痛を感じて、皺のよった眉間を押さえた。
普段ならば、コイツが俺の家にいるなんてのは喜ばしい事だ。
普段ならば、な。
だが、よりにもよって不法侵入で泥酔状態ときた。
政宗様もサークル仲間との飲み会らしく不在だし、喜ばしい事も無きにしも非ずなのだが、やはり普通に来て欲しかった。
まぁ、こういう時は大抵会社で何かあった時だ。
俺を頼って来てくれるのは嬉しい。
と、目の前の体がぐらりと傾いた。
あまりに突然で、慌てて抱き留めればまたもケラケラと笑い声。
やはりいくらなんでも飲み過ぎだ。
「笑ってる場合じゃねぇ……って、オイ猿飛!?」
ホッとしたのも束の間。
両腕が再び酒瓶にのびるのを発見。
即刻没収だ。
「あぁーっ」
「あぁーっ、じゃねぇ。お前もう飲むな」
「こじゅーろーさんのケチんぼー」
「ケチで結構」
嗚呼、本格的に頭が痛くなってきた。
「…猿飛、何かあったか?」
「……………」
「オイ、猿と…」
「―――って…」
何事か呟き、俺の首もとに顔をうずめた。
はぁ、と無意識に吐かれた息が首をくすぐる。
「…さすけ、って、いってよ」
ぞくり。
ヤバい。これはクる。
そんな事を耳元で囁かれたら、抑えが効かないだろう。
引き剥がしてみると、予想通りというか何というか、同じく欲に濡れた目が俺を見ていた。
…もう我慢出来ねぇぞコレ。
どう見ても誘ってる。
確信犯にしか見えない。
って事にしておいて今すぐ押し倒したい。
だが、もうすぐ政宗様が帰って来られる。こんな醜態を見られる訳には…
いや、しかし据え膳を喰わぬ訳にも…
ピリリリ、ピリリリ、
大音量の機械音とポケットの震えに、隅に追いやられていた理性がダッシュで戻ってきた。
メールだ。
…政宗様からか?
『今日痴漢血に止まる』
…………
きょうちかんちとまる……?
あぁ、『今日チカんちに泊まる』、か。
変換がメチャクチャだ…政宗様も相当酔っておられるな。
しかし。
これで俺の残り僅かな理性を縛るものは、なくなってしまった。
「…ね、はやく……」
掠れた甘い声で囁かれたのを合図に、俺の理性は再び吹き飛んでしまった。
示し合わせたかのように自然な流れで、唇が重なる。
政宗様が帰って来ないならちょうどいい。
煽ったのはお前だからな。
覚悟しておけ。
「俺の事しか考えらんねぇようにしてやるからな…佐助」
今後悩んだ時は、酒じゃなくて俺に逃げて欲しいモンだ。
俺の考えを見透かしたのか、それとも俺の台詞に応えてなのか。
薄く開いた佐助の唇が、弧を描いていた。
end
† † † †
後書き
ハイ、手前で止めました。
強制終了です。
やはり甘い文は書き慣れませぬ…。
オエ…砂吐きそう←
猿飛さんは会社で度重なる上司のセクハラに悩んでます。
その度に片倉家に行っては無断で酒盛りしてます。
彼の特技はピッキングです←
そんな猿飛さんを慰める(っていう体で襲っちゃう)片倉さん、いいと思います←言いたい事はそれだけか
では、ここまでご覧下さり有難う御座います!!
水城
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