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パロディ
雪と幸 (政幸)
※政幸で甘
※輪廻転生
※幸村がnot御座る口調







―――冬は、嫌いだ。

自分と彼を、引き離してしまうから。


甲斐とは違い、奥州には沢山雪が降る。そうなれば道は埋まり、会えなくなる。

珍しく雪が積もった庭を、ぼーっと眺めてみる。彼はもっと真っ白で寒い世界にいるんだ。
奥州の冬は長くて、民衆の負担が大きいんだって、いつか彼が言っていた。その時辛そうに揺れた隻眼を、俺は忘れられない。
ふるりと体を震わせ、一面の銀世界を睨み付ける。彼を苦しめる、この銀色を。



―――やっぱり、冬なんて嫌いだ。














† † † †


目を覚ますと、途端に冷気が体を襲った。思わず縮こまろうとする体に鞭打ってベッドから這い出て。部屋のカーテンを開けると、眩しい程の雪景色。
…あの時と同じ。

何だか憂鬱になって、溜め息をついた。


「どうした、ゆき?」

少し掠れた声と共に、衣擦れとベッドが軋む音がした。見れば、彼の人が上体を起こして眠そうな目を此方に向けていた。…起こしてしまったか。

「いいえ…雪が降っているな、と」
「Ah…どうりで寒いと思った」

そう言って再び布団へ戻っていく彼――政宗さんに苦笑する。

「…幸村、もう起きるのか?」
「はい、そのつもりですが」

布団から顔だけ出して、そうか…と呟いた政宗さん。まだ寝る気でいるのか、全く布団から出る気配がない。時計を見るともう10時。いくら休みとはいえ、これは寝過ぎだろう。
…眠気覚ましの珈琲でも淹れてこようか。体も温まるし。

そう思ってベッドを通り過ぎた瞬間。腕が引っ張られ、視界が反転する。

「わぁっ!!」

抵抗する間もなく、俺はズルリとベッドに引きずり込まれ。そして布団の中で、彼の腕に抱き込まれた。

「何するんですか!?」
「なぁ…もーちょっと寝ようぜ」
「もう10時ですよ?」
「たまの休日くらい、いいだろ?」

な?と悪戯っぽく口角をつり上げる政宗さん。そして、ぎゅう、とより強く抱き締められる。彼の胸板に押し付けられた俺の顔が熱くなったのは、きっと気のせいじゃない。

「ま、ま、政宗さん!?」
「今日、雪なんだろ?じゃあさ」


俺が温めてやるよ…なんてな。


耳元で囁かれた言葉に、冬とは思えないくらい体が熱をもった。それに気付いたのか、政宗さんは喉の奥でくつくつと笑った。その度に伝わる振動が、何だか心地良い。

…もう、いいや。珈琲は諦めた。
だって、珈琲の温もりよりも、政宗さんの温もりの方が、あったかいから。
観念したように目を閉じれば、すぐに襲ってくる眠気。彼の温もりに包まれながら、俺は睡魔に身を委ねた。








今の世でも冬は好きにはなれない。


だけど…


彼を、政宗さんをより近くで感じられると考えれば…


少しだけ、冬が楽しみになる、かもしれない。





――それは、ずっと貴方と共に生きられるから。




そんな、幸せ。








END







† † † †

後書き

久しぶりに甘ーーーーいのを書きました。
私には珍しい!!
くそぉ、冬が寒いから悪いんだ!!←

因みに、タイトルには三重の意味が。
"ゆき"っていう音でかけた"雪"と"幸"。
"幸村"と"幸せ"でかけた"幸"。
つまりは、トリプルミーニングなんです、皆さん!!←落ち着け

幸村の口調を変えるのは初めての試みでしたが…どうにも違和感が(^_^;)
政宗は幸村の大学の先輩で、現在同棲中という裏設定があったり。



では、御覧下さった方々有難う御座いました!!



水城

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あきゅろす。
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