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桜舞う

詠が言い募るのに義孝には動揺も何も見えなかった

色のない瞳でただ詠をじっと見ているようでいたたまれない

「そうですか。それで、どうします?」

どさっと重たい体を投げ出すようにソファに身を投げ出して義孝は気怠く微笑む

「ひとごとみたいに言わないでください。僕とちゃんと向き合って、説明してください!」

まるで雑誌のモデルの切り抜きのような微笑みを詠は悲しい気持ちになりながら必死で義孝に縋った

涙は零さなかったが心の中はズタズタに切り裂かれたみたいに鋭い痛みで苦しい

「……ちゃんと、話してください」

俯いた詠に義孝の指が頬にそっと触れる

顔を上げると義孝はまだ微笑んでいた

「……言い訳もしてくれないんですか」

絶望的な想いでそう呟くと義孝はぐっと詠の手を包み握った

「嘘は言えません。あの石、まだ持っていますか?」

急な話題転換に詠は眉をひそめたが義孝の問い掛けに詠は頷いた

あの日貰った石は大事にしまってある



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あきゅろす。
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