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桜舞う

義孝は答えてくれそうにないけれど

「お腹すいたでしょう?少し遅いですがブランチにしましょう」

伸びをして振り向いた時にはもういつもの義孝で

詠は口の重い自分を悔やんだが今は何も言ってはいけない気がする

とゆうよりも言葉にすることでこの幸せがぶち壊しになるのが躊躇われた

一分一秒でも義孝を独占しておきたい

高岡のそばになんて帰したくない

「………義孝さん」

詠が重い口を開くと義孝は振り向く

様子を窺うような義孝の視線に詠はふっと微笑んだ

昨日は確かに強引だったし怖かった

でも義孝に触れられて詠は幸せだったのだ

もっと触れたい

貪欲な自分に驚く

「……嘘じゃないです。好きですよ」

詠の精一杯だった

何を勘違いしているのか昨夜の義孝は詠の気持ちを嘘だと決め付けていた

どうしてそんな誤解がうまれたのか解らないがその誤解を解きたかった

詠がそう言うと義孝は辛そうに顔をぐしゃりと歪めて何も言わずキッチンに消えて行った

その時、全て投げ出して背中に縋りつけばよかったのだ

過去のことだけれど時間がもし巻き戻るならば詠はこの時間に帰りたい

そうすれば今もーーそう思わずにはいられない



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あきゅろす。
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