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桜舞う



結局、義孝の家に厄介になるとゆうことになったのだが詠は不安でいっぱいだった

たった数日で激変する状況に頭がついていかなくなりそうで

ボストンバッグに最低限の荷物と勉強道具を詰めている時も義孝が何を考えているのだろうかと考えると自然とため息が零れた

当日迎えに来た義孝はどこか機嫌がよさそうで先日の冷たさはどこにも見当たらなくて詠は密かに安堵したのだが

「こちらです。詠さんは高い所は大丈夫ですか?」

案内された義孝の自宅は億ションで名高い都内近郊にあった

登るエレベーターでもカードを使い義孝の部屋に着くまでに計8回ものキーパスが必要だったのでセキュリティは万全だといえるだろう

敵の多い仕事だから

ぽつりと父親の姿が思い浮かびそんな事を思う

「詠さんの寝室は申し訳ないのですが私の部屋と一緒でいいですか?」

「え?」

顔を上げれば微笑んだまま少し困った顔をしている義孝と視線があう

休日だからか義孝はラフな格好をしていたがそれでもモデルのようにかっこいい

いつもより少し砕けた雰囲気に詠は何度も見とれてしまった



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