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桜舞う

十月は義孝さんと使用人がって言ってた

まさかそんなこと。僕のことを愛してるって言ったのに?

義孝さん

何の約束も貰ってない、綱渡りみたいな関係なのに信じられる?

十月の言う通りに行動すれば義孝さんを疑い試すことにならないか?

部屋をうろうろして結局、詠は部屋を抜け出した

十月が待っていると言っていた場所に向かって走る

しかしその途中で十月は庭木に凭れるようにして待っていた

「く………来るかどうかもわからないのに、待っていたの?」

息を切らせる詠に十月はゆるく首を振った

「お前は絶対に来る」

十月に腕を引かれる

この手を取ってしまえば終わりしかない

そんな気がしたが詠は大人しく十月について行った

連れて行かれたのは意外にも客室の近くの壁側だった

応接室にも使われるその部屋はよく義孝が泊まる時に利用されていた

人の気配もしない室内を一瞥して、しゃがんで座ってしまった十月の横に座る

「何があっても、声をあげるなよ?」

しぃっと人差し指を立てる十月に頷く



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あきゅろす。
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