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縄酔ドール 1
「く…ぁッ」

ギリギリと肉体を締め付ける縄。
汗が冷たさを帯びて背中を滑り、麻へじわりと滲みていく。
上半身の縄は亀甲模様で張り巡らされて、後ろ手に拘束された挙句その紐の一線が二の腕を縛るそれと繋がって全く身動きがとれなくなってしまっている……傍から見れば今の俺はさぞかし滑稽な姿だろう。

「やはり縄化粧が似合うな、ガイ」
「……」

”下準備”を終えて立ち上がった男を見上げた。蒼い月光に照らされる紅い長髪。
そう。今夜も俺は公爵のオモチャになるのだ。

「そう睨むな。たまにはこのようなのも悪くなかろう」
「っは…んん」

公爵が懐に手を忍ばせると同時に先ほど俺の体内に埋められた玩具がブルブル震えだした。
(…んの野郎、遠隔式のやつか…)
男根を模った憐れな音機関は括約筋を拡げてくるが股縄によって外に飛び出すことは出来ないようになっている。

「ふ…っあ…、止めろ…」
「ふん、そう言いながら腰を揺らめかしているではないか」
「違…!んァっ」
「…」

振動の一段階上げた公爵は中庭側の窓をそっと開く。
今の季節にそぐう生暖かい風がふわりと部屋の中へ流れてくる。
ナカの振動に耐えつつ様子を窺っていると男はその紅髪を靡かせながら「ふむ」と呟いた。

「…どれ、少し外に出てみるか」
「…え?そ、それは…」

公爵の言葉を聞いた途端、体中の汗が一気に噴出したような気がした。
俺が狼狽えている間にも公爵は着々といつものブーツを履かせて、着けっぱなしだったチョーカーにペット用と思われるリードを繋げている。
(嘘だろ…そ、外とか!!)

「あ、あの…旦那様」
「不安がる必要はなかろう。その肉体で警備中の白光騎士どもを垂らしこんだらどうだ?」
「(…クソが…!)」
「…しかし闇雲に暴れ目立つのも興が冷めてしまうな」
「なん…?!ぁ゛…がっ」

何だこれ……猿轡、か?
ボールのような形で規則的に空いている小さな穴のおかげで呼吸はしやすいが、顎が痛い。

「これでお前も声云々の余計な世話もなくなる」
「あぅっ、んん〜!」

扉が開く。
立たされた俺は激しく首を横に振るもリードを強く引っ張られた。

「ふ……ふうぅ…」

中庭には誰もいなかった。こんな真夜中では当然だが…。
公爵も言ったが、いつ騎士が来るとも限らない。
もしコレがばれてしまえば騎士からまた何をされるもんだか…。

「…」

…男は俺の前を淡々と歩いている。振り向くことも、話しかけてくることもなく。高級な靴の踵をひたすらに鳴らす、だけ。
俺は…正直ついていくのがやっとだ。
足自体は自由だけど、公爵の気まぐれで音機関の強さが不規則に変わるので歩くことに集中できない…っ。
じわじわ溜まっていた刺激がこたえて脚はみっともなく震えている。

「ひゃぁう…!」

玉轡の隙間から飲みきれなかった涎が胸に落ちたようだ。そんな些細な事にも過敏に感じ取ってしまう。
――と、不意に公爵が振り返るとそのままその涎を塗りたくってきた。気持ち悪い。

「…どうした、外だと興奮するのか」
「はぁ…んっ」
「ココが尖っているぞ。寒さでは…ないだろうな」
「ッあ、ひゃえぉ…!」 

太い指がぐりぐりと乳首を弄ぶ。乳輪を指先でなぞったり、爪で乳首を弾いたり。
更に公爵の手が再び懐へ消えていき――。

「――ッ!!」

暴れ狂う音機関が最も敏感な部分を何度も擦る。かひゅ、という呼吸とともに一瞬空を仰ぎ見た。

「あっひ…っ!はぁああっ!!」

ヴヴヴと振動が秘部だけでなく、それを支える股縄を通じて縄からも僅かに伝わってくる。それだけ威力が強いということ。
もう声を抑えるとか歩くなんてことは考えられなかった。
花壇が並ぶ中庭のど真ん中でうずくまって獣のような呻きをただ洩らすだけ。

「そんなところで寝ていると朝早くやってくるペールに見つかってしまうぞ?」
「!ぅっ、ふうッ!!」
「歩けない『ペット』を抱いて運んでやるほど私が温情ではないことくらいお前も分かっているだろう?」
「く…っ…ひぁ…」

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あきゅろす。
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