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縄酔ドール 2
「…そろそろ戻るか」
「ぁっふ、ん…」

内部を思い切り突き上げていた玩具の威力が少し弱まった。
既に意識は朦朧としていたがリードで引っ張られたのに気付いてなんとか立ち上がる。
情けないことだが曝け出されてる自身は軽くもたげていた。上の口と同じように涎を垂らしている。ここまでなってしまうと男としての欲求が芽生えてしまう。
いまいち物足りない下半身の刺激にこっそり内腿を擦り合わせながら俺も来た道を引き返した。



「ぷはっ!」

なんとか誰にも見つからずに部屋へ戻ってくるなり、自分で動けない俺の身体はベッドへ放られる。
漸く玉轡が外され、べとべとなそれは鎖骨を濡らしていく。冷たいし、やっぱり気持ち悪い。
そして公爵がナイフで股縄を千切ると男性器まがいを一気に引き抜かれた。間もなく何やら液体に塗れた武骨な指を三本が難なく滑り込むと、ぐぽぐぽと大きな水音が俺の耳に聴こえてくるくらい乱暴に掻き混ぜた。

「あっ、あっ、ぁああ゛ぁっ!!」

くそ、荒々しいのに気持ちいい…!
今までのがもどかしかった分、絶頂への道程はそう遠くなかった。
しかし自身が疼いて堪らなくなった時くらいに指が抜かれてしまう。
…純粋にもっと欲しいと思ってしまった。

「はぁっ、は…」
「お前がイクより先にまずやることがあるだろう。それをしなさい」
「っ…す、すみません…旦那様…」

不自由な体の体制を仰向けからなんとか膝立ちになると、ベット脇に立つ公爵のモノを口で取り出した。
いつもと違って手が使えない分、手際も悪くなる。
少し勃っていた一物を舌で舐めまわし、湿らせてから咥内に含んだ。息苦しくて生理的な涙が出ても奥へ奥へと挿れなければならない。
俺はこの行為が苦手だ。慣れたいとも一切思わないが。

「っふ…んむ…ぅ」
「…もう良い。お前のはいつも拙いな」
「ぁう…すみません…」
「…そろそろ此方も効いてきたか」
「ひっ!」

その瞬間胎内が強烈に疼きだす。いっそ痛いくらいに熱を帯びていき、とんでもない痒みを生み出すのだ。
どう考えてもこいつがやったとしか思えない。

「っ…何を、したんだ…!」
「お前が素直になる薬を、な。今お前はナカを掻き擦ってほしくてたまらないだろう?」
「さっさわん…なっ!あっ、ぁあっ…」
「ふふ…」
「くそ…!縄を、ほどけっ!!」
「口は慎みなさい、ガイ」
「いあぁっ…」

胸を強く抓られる。痛みを感じても身体の火照りは治まるどころではなく。

「素直に頼めば、好きなだけ私が掻いてやるぞ。クク…」
「…いつもみたいに無理矢理突っ込んだらどうなんだ?まわりくどいこと、すんなよ…」
「同じではつまらないだろう。それに私がそうせずともお前からねだる筈だからな」
「う…くっ…」

…確かにこいつのなら。
胎内の疼き過ぎて狂ってしまいそうな部分を一気に鎮めてくれるだろう。それ相応の快感も、きっと。
しかし何もかもこの男のいいなりになるのは癪だった。

「…強情過ぎるのも考えものだな」
「……?!」

その時の男の瞳は。
とてつもなく冷めたい翡翠色だった。
ゾッと背筋に寒気を感じて俺は思わず首を振る。

「…や…やめろ…」
「……」

ドロリ。
自身にまで同じ液体をかけられてしまった。先ほど使わなかった分全てだ。
そして其処にも信じられないくらいの痛みと痒みが襲ってくる…!

「ひぃ、ぎ…ひ、卑怯だ…!」
「促すよう、お前の意思を潤滑させるまで」
「はぁ、あ…!くぅっ」

どうにかなっちまいそうだ…!
俺は無意識のうちに腰をくねらせて手足をばたつかせようとする。
しかし腕は今や拘束されて背中の下に敷かれて、公爵によって開脚させられている。
掻きたい…掻きたい…!!

「………お願いです…どうにかして下さい…ッ」
「どうにか、とは?」
「…ナッ、ナカに…旦那様のを挿入し…」
「もっと下劣に」
「…ッ!?」
「早くしなさい」
「ィいッ!」

公爵の手が俺のを一撫でする。だがそれだけで俺はもうイってしまいそうだ。
変に触られたせいで余計にもどかしさが募る。
我慢できない…!

「あっぁ、お願いしますっ!旦那様の長くて太いモノを一気に突っ込んで、俺のを無茶苦茶に扱いてください!!」
「お前にしては出来た方か」
「んひぃいっ!!」

それからは頭が真っ白になって。
溜めていた快楽が一気に爆ぜ。荒れ狂う波のようにとめどなく絶頂がやってくる。
途切れなく漏れる息と身体に吐かれる己が液。

その先のことは、ほとんど覚えていない。




「…失礼…します」

身体中に縄の痕を残して青年は去った。
今宵は少し派手にし過ぎた。虚ろな目をしていた彼はもう歩くのも辛いだろう。
心配か?否。罪悪感か?否。
そんなくだらないものを感じるくらいなら、初めからこんなことはしない。

「…ガイ・セシルか」

最初、もしやと思ったが…おそらくそれは杞憂だろう。
だが彼もまたなかなか面白い『瞳』を持っている。
今日だって。事を全て終えたとき。

――殺してやる、と。

彼の背後(わたし)を見据えたときの『瞳』ははっきりとそう告げていたのだ。
昼間の彼からは到底想像もつかない眼つきだった。
あれは、『鬼』の眼だ。
喰うか喰われるかの駆け引き。

「…面白いではないか」

上弦の月が雲に隠れる。

もうすぐ満月になりそうだ。

END

微睡みの夢物語:Rika様から素敵な公爵ガイをいただきました。
毎日が誕生日ならいいのに…!!
公爵のドSっぷりと、なかなか折れない様子が色っぽくて益々こっちのS心を刺激してやまないセクシーガイちゃんに嬉しくて胸の動悸がとまりません。
私もガイちゃんを大人のお散歩に連れ回したいよう。
素敵な公爵ガイを本当に本当にありがとうございました。幸せです。

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あきゅろす。
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