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フリリク第二弾
公爵ガイ 尿道責他 前編
※触手による尿道責めがあります
※陵辱色がかなり濃いですのでご注意ください
※冒頭部分は以前日記に書いていたものです



遠くで雷鳴が獣のような唸り声をあげている。
ガイはランプを手にし荒れ狂う窓の外の景色をみて、ますます暗澹とした表情を浮かべる。
深夜、とうに就寝していた時刻にラムダスから起こされる事となった。
急な使いとしてベルケンドに書簡を届ける仕事だ。何もこのような時刻に、とガイは思ったが、仕える身で異議を唱える事など出来るはずも無い。
まだ起き抜けではっきりしない頭を軽く振って、眠気を飛ばしてラムダスの後に続いて無言で歩く。
外の喧噪とは裏腹に、屋敷の中は静寂に包まれている。見回り騎士の甲冑の金属音が遠くに聞こえるくらいだった。
まるで屋敷全体が息を潜めて、事の成り行きを見届けようとしているような、ある種の緊張を多く含んだ静寂であった。

窓の外の悪天候を一瞥して、かなり厳しい仕事になりそうだとガイは覚悟をきめる。
「旦那さま、ガイを連れてまいりました」ラムダスが扉を叩いて、ガイを自分に続いて室内に入れる。
瞬間、閃光が走り、室内を青白く浮かび上がらせる。血のような赤い髪は光でその色を薄めたが、翡翠の双眸は白光に呼応するように、昏く輝いている。
光を追いかけるようにすぐさま雷鳴が轟く。
再び暗闇が優勢となった部屋で、主はラムダスに下がるように申し付け、ガイに書簡を差し出す。
受け取るために公爵との距離を縮めた時、香が焚かれている事にガイは気づく。公爵が好んで香を焚きしめるとは思えなかったが、それ以上深くは考える事はしなかった。
ラムダスが扉を閉めた瞬間、公爵はいつものように翡翠の瞳に冷酷さを滲ませ残酷な笑みをのせると、ガイが戦慄する言葉をかける。
「ガルディオス家嫡男にこのような仕事をさせるのは心苦しい事だ」
バサリと音を立てて、手にした書簡を落とす。弾かれたように公爵の顔を見上げると、予想通りのガイの反応に、口の端をあげて嗤う。
誤魔化しがきかぬことをガイは悟る。不意を突かれ、唯一の契機を逃してしまった。書簡を落とす程動揺している事を相手に知らしめたのだ。
「先日逝去したお前の…失礼、貴殿の祖父を名乗っていた男に見覚えがあるという者が現れたのだ。
マルクトとの戦線で、それはそれは見事な剣捌きで我が同胞達を容赦なく切り捨てていった男、ペールギュント・サダン・ナイマッハ。
ガルディオス家所属として軍に属していた時に、対峙したそうだ。先日逝去した際に、首検分を行った所、間違いないと申してな」
「何もかもお見通しというわけですか」
二人の間に張り詰めた空気が満ちる。
「そういう事だ、ガイラルディア・ガラン・ガルディオス」
その言葉に軽く肩を竦めると、仇相手に取り繕う事をガイはやめて問いかける。
「わざわざ俺を偽りの用件を作ってまで呼び出したのは?」
「ルークが煩いだろう」
悪天候の中仕事のためにベルケンドにむかって出立した俺が足を滑らせて崖から転落、というシナリオをもう描いているのだろう、とガイは考えた。
ルーク相手に一番収まりの良いシナリオだ。あいつ、悲しむかな、いや激しく怒りそうだ。激しい言葉で俺を罵って、それからきっと、一人で泣く。
その事を考えると胸がズキリと痛くなる。

「ああ、確かに。しかし、ベルケンド出立が偽りで良かった」
ガイの言葉に珍しく公爵が訝しげな表情を浮かべる。
「こんな悪天候の中、あなたのために走りまわるのはゴメンだと思っていたんですよ」
背後に視線を送ると、そこには雨が先程より猛々しく窓を叩きつけている。
「うむ、確かにな。私の命で、このような悪天候の中走りまわりたくはなかろう」
互いに軽く笑いあうと、すかさずガイは体当たりのように身体をぶつけて、公爵の鳩尾を狙う。だがそれを狙っていたかのように足を払われる。
強かに背を床で打つ。豪奢なら毛の長いじゅうたんのおかげで、さした痛みをガイは感じずにすんだ。
ガイが起き上がるより先に馬乗りになり、ガイの喉の頂に掌を当てられる。
「動かぬ方がよい、ガルディオス殿。貴殿とて喉の頂が急所の一つだと知っていよう」
ぐっと掌に力を篭められる。と、同時にガイが足を浮かせて、空気を蹴り倒すように脚に力を篭め、交差させるとその勢いを利用して己の腹に跨る公爵を跳ね除ける。
跳ね除けられ、体制を崩した公爵のコメカミを狙って肘を入れる。
咄嗟にかわされて掠っただけで終わった攻撃に見切りをつけ、そのまま一気に後ろに跳ね公爵との距離を持ちながら、武器になるようなものを目で探す。
そんなガイに公爵は「あまりその位置はお勧めはしませんが、ガルディオス殿」と笑いながら掠ったコメカミあたりをさすっている。
公爵の余裕にガイが疑心の念を抱く。この男が何ら策を講じずに俺を部屋に招き入れるはずもない、とガイは仕掛けられている罠を注意深く探る。
人の気配はないはずだが、と思った時、クラリと身体が弛緩していく。膝を折ったガイに公爵は珍しく上機嫌な様子で語る。
「とある花から摘出できる弛緩剤だ。ダチュラアルカロイドというそうだが。軍では大層重宝している」
「どう…りで……。あん…たに、香なんてにあわ……な…いと…」
思ったんだよ、と続く言葉はガイの口から発する事はなかった。視界がグラリと傾いたかと思うと、そのまま闇に飲み込まれる。

床に倒れたガイを、公爵は冷酷な瞳で見下ろした。


**********

石造りの部屋に窓は存在しない。
地下なのだろう。敷き詰められた石は常にじわりと湿っている。
床には足枷が点在し、壁には手枷がダラリといくつもぶら下がっている。
だが、本来、ガイが入るべき監獄とは趣がかなり異なっていた。
充分な広さの部屋には、簡易ながらもベッドがあり、シャワーなども備え付けられている。
出入口は重い鉄の扉があるだけであった。
部屋に陽光は差さず、石の壁四方に灯りがあるだけの部屋で時間の概念は奪い去られていた。
いや、ガイが奪い去られたのはそれだけではなかった。
「……っつ」
意識が覚醒すると共に、身じろぐとすぐさま鈍痛が襲う。
衣服は全て剥ぎ取られ、足首には重い足枷がつけられている。
薄い掛布を剥いで、腰からあがってくる重く鈍い痛みに奥歯をかみしめて耐え、ガイはベッドから起き上がる。
ジャラジャラと鎖の音を立てながら、そのままシャワーを浴びに行く。
汗を流し、おそらく数時間程前の性交の名残を湯で流した。
屈辱に身体を震わせながら、これもおそらく数日前の出来事を脳裏に蘇らせる。



中編


あきゅろす。
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