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フリリク第二弾
VG 一人H 浴室ラブラブH 前編
あねうえ、ヴァンデスデルカがぼくにけんをささげてくれました。
とわのちゅうせいをちかう、とぼくにいってくれました。
すごくうれしいです。

息を弾ませながら姉に駆け寄って、先程自分の身に起こった嬉しい出来事を報告した。
姉ならば一緒に喜んでくれると幼い俺は信じて疑わなかった。
だが、姉は眉を微かに顰めると、少し逡巡し、優しく語りかけた。
「ガイラルディア、今、貴方は強き剣を得て、誇らしい気持ちでいっぱいなのですね。
確かにこの先、強き剣を携えた貴方を皆が羨望するでしょう。
ですが、その剣は貴方にとって、とても重い枷ですよ」
幼い俺は嬉しい想いを姉と共有出来ない事が悲しくて泣き出してしまった。
泣く俺を叱咤しながらも、姉は優しく抱きしめ「ごめんなさい、貴方の可能性を否定する言葉でした」
そう慰めてくれた。
だが、今にして思えば姉の言葉は正しかったと思う。
思春期の頃、正直な気持ちを言えば、ヴァンがいささか疎ましかった。
最年少で主席総長まで昇り詰め、剣技、譜術ともに極め、キムラスカでもその名を知らぬ者はいない程だ。
自惚れるわけではないが、俺は同年代の男より頭一つ分は秀でていたと思う。
だが、ヴァンが俺の年齢の時に何をしていたのかと思いを馳せれば、すぐさま醜い妬心が顔をもたげるのだ。
到底敵わないのだ。この男に。なのに俺を主として崇め、恭しく膝をつくのだ。お前に膝を付かせる価値など俺にどれほどあるのか。
その変わらぬ忠誠さえも疎ましく感じ、そして直ぐ様、そんな自分の矮小さを激しく嫌悪する。
姉が俺にヴァンを「重い枷」だと言って聞かせた。まさにそのとおりだと思う。

だが、その重い枷はあっさりと断ち切られる。



********


嵌め込みの窓から外の景色をぼんやりと眺める。
朝の清廉な空気が窓越しにも感じられて、ガイはほうっと小さく息を吐く。
ノックの音が部屋に響く。入室を促す言葉を扉に向かってつげる。ゆっくりと開いた扉から朝食を盆にのせて運んできた兵士が入室してくる。
ガイと視線をあわせる事もなく、言葉も交わすこともなく、迅速に手際よくテーブルを皿で埋め尽くすとそのまま一礼して退室する。
デスクの上のカレンダーにペンで今日の日付に×をつける。
「監禁されて丁度二ヶ月、か」
ペンと机の上の放ると、ため息をついてからテーブルにつく。
食欲などないが、食べておかねば逃げる契機を失いかねない。
ガイが逃走を試みた回数は片手では足りぬ程だが、悉く失敗に終わり、その都度酷い責め苦をうけた。
苦痛に耐性がいくらあっても、厄介な体質のせいで、快楽には全くといっていいほどない。
終わりのみえない悦楽は苦痛以外の何者でもないことを身体に叩き込まされた。


半熟の目玉焼きをつつきながら、この二ヶ月の間に身に降りかかった出来事を回想する。



ベルケンドで過去を断ち切った。ガイの揺るがない気持ちに、ヴァンも差し出した手をゆっくりと下ろした。
それで終わるはずだった。だが、次の瞬間ガイは腹部に強烈な痛みを感じると同時に意識は喪失した。
目を覚ました時には、この部屋に監禁されていた。
何が起こったのか把握できずにいたガイに、ヴァンは告げた。
ガルディオス家とフェンデ家の本来の立ち位置を。俄には信じがたい言葉ではあったはずだが、ガイにはそれを裏付ける過去の情景が直ぐ様浮かんでくる。
幼いガイに、「お前が成人の儀を果たす時に告げねばならぬ事がある。ガルディオスの真の在り方を」と父が真実の欠片を僅かに触れて話して聞かせていた。
それゆえにガイはすんなりとヴァンの言葉を受け入れた。それは安堵の想い。そしてヴァンという重い枷からの解放であった。
「貴公が剣を突き返し、私たちはかつての主従関係ではもうなくなった」
「お前に剣を捧げて忠誠を誓えと言うのか。悪いが、お前の考えには賛同できない、そう言ったはずだ」
「ああ、そうだ。ガイラルディア」
その声色にぞくりと肌が粟立つ。
偽りの微睡みに身を任せていた獣がゆっくりと鎌首をもたげて、獣を見くびり安穏としていた獲物の頬をぞろりと舐めたような。そんな錯覚さえ起こしそうになる。
「ガイラルディア、お前の剣など私は欲してはいない」
主従という関係を取り去った今、ヴァンがガイに向ける言葉はなんら飾ることもない。ヴァンの言葉にガイは肩を竦める。
「など、か。じゃあ、なぜ俺をこんな場所に閉じ込めた。フェンデとガルディオスの入れ替わりを話すためだけか?」
「いや。お前を私のものにするためだ」
その言葉にガイは訝しそうに眉を寄せる。頭の中で反芻して咀嚼している間に、ヴァンの大きな手はガイ頬に添えられる。
怖気が背中を走り抜け、ようやく己の身に降りかかろとしている事態を把握する。ガイに身を捩ろうとする暇も与えずに、下顎付け根を強く押さえる。
口を閉じれないようにして、ゆっくりと舌を差し入れ、口内を満遍なく舐め回す。どちらのものともわからぬ唾液が口の端から溢れ、顎を伝う。
初めての深い口付けに翻弄され、その相手がヴァンである事に混乱しているガイを押し倒し、容赦なく身体を奪った。
散々犯され嬲られ、何度も無理やり吐精させられ、ショックで放心状態のガイにヴァンは低く穏やかな声で酷薄に告げる。
「お前の剣など私は欲しておらぬ。身体だけを私が欲した時に素直に捧げればよいのだ」
その言葉がガイの鼓膜を震わせた時、箍がはずれたように蒼い目から涙がボロボロとこぼれ落ちた。


身体を無理やり拓かせてから連日酷く犯された。
獣の獰猛さを知った獲物は、酷く痛む身体で必死に抵抗をする。
その抵抗を易々と封じて、ヴァンはガイを嬲り尽くす。
傷付いた箇所に禍々しい爪を立て、新たな血を流す。癒す術をもっているが、敢えてヴァンは使わず、ただガイに痛みだけを与えた。
串刺しにされるような痛苦に、ガイがとうとう涙を流し懇願してもそれを緩めることなく激しく攻め立てた。
長い責め苦から漸く解放されると、枯れた喉は責める言葉さえ紡げず、四肢に力が入らずだらりと投げ出すしか術がないガイを、隣の浴室へを運ぶのはヴァンだった。
恐ろしく丁寧に優しく残滓の処理を行い、ガイの身体の隅々を洗い流す。
身体を洗い流されている間に、ベッドは清潔なシーツに取り替えられ皺ひとつない程に綺麗に整えられている。
そのうえにガイを放り投げるように落とすと、そのまま背を向けると素早く己の衣服を整え無言のまま部屋から出て行く。
先に宣言した通り、欲望を吐き出すための道具のような扱いだった。
そんな夜が数日続いたかと思えば、パタリと来訪が止む。
ほうっと安堵の息をガイはつくが、夜の静寂がヴァンの来訪によりいつ破られるのかという怯えは常に付きまとった。
眠りの中にあるガイを無理やり叩き起し、組み敷いた相手が寝起きで朦朧と思考定まらない様子でもヴァンは構わずに無尽蔵の体力で空が白むまで貪りつくすのだ。
己の身体を抱くようにして丸くなって、この平穏が朝まで続くことを祈りながらガイは眠りに落ちる。


一方的に貪られるだけの関係に変化が起きたのは、部屋に軟禁され三週間程経った頃だった。
前立腺を執拗に責め立てられ、逃れられない苛烈な刺激に、触れることなく吐精をした時。
射精の快楽に浸るよりも、自分の性器からビクビクと白い粘液が迸るのを呆然とガイは見つめていた。
その様子を、くっと喉奥で酷薄に笑う声が耳を震わせた時、身体だけでなく心まで踏み躙られた。
従順になってしまえば楽になるのだとガイの耳元で低く囁き、疲弊しきった身体と心はそれに素直に従った。
確かに、欲に溺れている時は何も考えずにすむのだ。




中編


あきゅろす。
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