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小話
触手ガイ ルクガイ 前編
※ルクガイ前提の触手ガイ→ルクガイ
※ルークとガイは出来上がっています。
※原案はタカトリナナさんです。
前編が触手ガイ 後編がルクガイ


「おかしいな」
ぽつりとガイはひとりごとを漏らす。
森林地帯に入ったのはいいが、どうも様子がおかしいのだ。
樹木は高く生い茂っており、陽の光も葉の隙間から細く差す程度だ。
鬱蒼とした中を歩きながら、今更ながら自分が道に迷っている自覚をガイはする。
「参ったな」
道に迷うような場所ではない。軍が進軍で通り抜ける場所でもあるため、草を整えられて道は整備されている。
その道を歩んでいたはずなのに、後ろを振り返ると歩いてきたはずの道の痕跡はなかった。
「おかしいな」
再度言葉を漏らす。何かの幻覚にかかっているのだろうか。
そして、先ほどまではじめじめと湿っぽい空気だった。だが、今は。
「暑い」
じっとりと汗ばむそれは、熱帯林に脚を踏み入れたような錯覚に陥る。
ベストの前を広げ、少しでも風をいれようとする。
汗でシャツが肌にべったりと貼りついている。
シャツの襟元に指をかけて、ぱたぱたと扇いで風を肌に送り込んでいる時に、背後の気配にガイは気づく。
それを捉えるより先に身体が動く。咄嗟に後退し、腰の剣に手をかける。
ぬちゅ。
粘液がこすれあう音がガイの耳に入る。
一瞬、ここが森ではなく海の底なのか、とガイは錯覚する。
そこには蛸の脚のようなものがいくつもうねうねと何か獲物をさがすように蠢いている。
その脚の大きさも太さも様々で、木の蔦程の細さのものもあれば、男の腕ほどの太さのものもある。
ピンク色のそれは、白い粘液をどっぷり垂らしながら、ずずっとガイとの距離を詰めてくる。
触手、というものなのだろうか。そうガイは考える。
となれば、その奥が本体であり、急所になる。
粘液で覆われている触手を剣では斬ることはかなり難しい。剣の切れ味が鈍り、せいぜい斬れたとしても数本。
その間に身体を締め付けられてしまえばお終いとなる。
何としてでも、背後にまわらなければ、とガイがソレとの間合いを目算する。その時、背後からずるっと粘液を垂らした太い触手がガイの利き腕を絡めとる。
ゴムのように弾力があるそれは、ぎゅっと万力のようにきつく締め上げる。
「っつ」
それでも尚剣を離さずに耐えていると、また違う方向から触手が伸びるともう片方の腕に巻きつく。
ずるずると草の上を何か引きずるような音を立てながら、太い触手はガイの脚へと忍び寄る。
「やめろっ」
脚に力を込め、どうにかこのおぞましい肉の手枷から逃れようと試みる。
だが、抵抗は呆気無く封じ込められる。
左右それぞれの脚を脈打つそのピンクの触手に絡め取られ、きつく締め上げられる。
四肢をきつく締め上げられ、とうとう手にしていた剣をガイは落としてしまう。
単なる軟体生物ではなく、知能もあるようで、ガイが剣を落とすと締め付ける力が幾分弱まる。
と、同時にガイの身体は宙に浮く形となる。
触手によって高く掲げられた格好になった。そのガイを食事の時間とばかりに、一斉に大小様々な触手がガイの身体に襲いかかる。
まずは何かを確かめるように、細い触手がガイの顔や身体を撫で回す。ぬちょりとした粘液で顔や身体が汚される。
汗ばんでばりついていたシャツの裾からは大蛇程の太さの触手が入り込んで、這い回る。はじめは一本、だが、次々に入り込んでシャツは膨れ上がり、ボタンがはじけ飛ぶ。
圧迫感のなくなった事を喜ぶように、それぞれが好き勝手にガイの胸を背を這いずり回る。
乳首をその触手の身体で擦られ、ぎゅっと押し付けられると、おぞましさだけではないものが背筋を走る。
粘液を身体に塗りこめるように動くその動きに、息がうまく出来なくなる。
「はっ、っっん」
こんな化物相手に嬌声を立ててしまいそうになるのを、理性で必死にとどめようとする。
せり上がってくる快楽をやり過ごそうと口を開いて、息をはこうとした時。それを狙っていたかのように、太い触手がガイの口内に入り込む。
「んっ」
驚きに目を見張るガイに構わずに、その触手は口内を激しく犯していく。
喉奥まで突き刺すように激しく動かしていく。口腔内の唾液と粘液によって、滑らかに、そして容赦なく触手は出這入りをする。
息を付くことも出来ずにガイの意識が朦朧とした時に、口内にある触手の先端が大きく膨れ上がり、動きをぴたりと止める。
そして次の瞬間、脈動するその触手の先端から熱いものが迸る。
喉奥までさしいれられたそれは抵抗するまもなく嚥下される。アルコールのように、それが喉を滑り落ちるとかっと熱くなる。
熱く、妙に甘く、だがその後を追うように苦味も感じるその粘液をガイは全て飲み込んだ。ずるりと触手はガイの口から抜け落ちる。
ガイは、はあはあと肩で息をする。そしてガイの身体に変化が訪れる。
口腔内を犯されている間も、せわしなくガイの身体を触手はまさぐっていた。
だが、粘液を飲まされてからは、その動きの一つ一つにびくびくと過敏に反応してしまう。
「は、ああっ、ん、ンンッ」
触手にまとう粘液の量が増え、宙に浮かんだままのガイの身体を伝ってぽたぽたとこぼれ落ち、下の草むらに粘液の水たまりを作っている。

器用にガイのスパッツに入り込むと、もぞもぞと太ももを撫で回し、下肢の付け根に身体を擦り付ける。
「ああ、あっ、んッ、ふぁ、ああッ、あ」
敏感すぎる程の身体は、ずるずると這入り込む触手を歓迎するように、その動きに嬌声をたてる。
ぼたっとブーツが脱げて、粘液の水たまりの上に転がる。黒のスパッツは片方は太ももあたりまでずり下げられ、片方は脱げてだらんと垂れ下がっている。
快楽を高めるようにガイの性器に触手がまとわりつくと、ガイの声から歓喜の声が漏れる。
「あ、んんっ、や、ああっっ、ああ」
甘く濡れた声は自分がたてているとは思えない程だ。
奥の小さな窄まりにも触手は容赦なく襲いかかる。
ぬちょぬちょと粘液を入り口にこすりつけると、ぴくぴくと期待に色素の薄いその箇所が収縮をする。
まるで侵入を待ち望むかのように。
「だめ、だ、だめ、ぇっ、それ。だ、アアアッ」
舌足らずになりながらも、いやいやと頭を振って拒むガイの性器の根元をきつく触手が縛り上げる。
それでもなお「だ、めっ、そこ、は……」とガイは拒否の姿勢を崩そうとはしなかった。

垂らされる粘液はねっとりと窄まりを濡らしていく。
太い触手は何かを示唆するように、その硬く弾力のある身体をぐいぐいと押し付けてくる。
「やめっ……、ぁッ、はな…ンンーッ!!」
乳首に細い触手が多数群がり、その先でちゅるちゅると一斉に吸い上げている。
「ひぁっ、―――くっ!!」
過敏になった身体への強い刺激に、ガイはうまく呼吸が出来ず、口の端から涎が溢れる。
「はっ、やめっ、ああっ」
根本を触手によってきつく縛られた性器にも、蛇程の細さの触手が群がり擦り上げている。
塞き止められ行き場を失っているのに、触手たちによって絶頂に導かれる。
それは苦しみが勝るはずなのに、より強い刺激を身体が求める。
もっと胸をきつく吸い上げて。もっとぐちゅぐちゅに擦り上げて。もっと身体をまさぐって。もっと、もっと。奥まで、奥までその太いので掻き混ぜて。
頭の中で自分が言うはずもない、まるで娼婦のような淫猥な誘い文句が繰り返される。
飲まされた粘液のせいなのか、と残った理性が冷静に考える。
だが、込み上げてくる疼きにもう何も考えられなくなる。
全身をくまなく嬲る触手の動きに、わななく唇が小さく言葉を漏らす。
「いれ……。奥ま、で。ぃれ、て!」
その言葉と同時にガイは地面に落とされる。垂れた粘液で草は濡れて水溜りを作っている。べちゃりと背面が濡れるのを感じる暇も与えずに腰を浮かせ、両脚は左右に大きく開かれている。
窄まりに身体を擦りつけていた触手が、まるでガイにみせつけるように粘液を先端からだらだらと垂らしながらかま首をもたげる。
ゴボリと音をたてて粘液を押しこむように、ずずっと細い先端が埋めこまれていく。
根元にいくにしたがい太くなっていく長大なソレに圧迫感を感じながらも、空虚な部分を埋め尽くされる充足感も同時に感じていた。
柔らかな弾力の触手がずぶずぶと小さな窄まりを押し広げて、深く体内に入り込んでいく。それは何とも淫猥な光景であった。
「はっ、あぁぁぁっ、んっ、…あぁぁぁッ」
身体を広げられ貫かれる感覚に、ガイは甘い喘ぎ声をあげる。
根元まで押し入ると暖かな体内を味わうように、中で縦横無尽に動きまわる。
性器では味わえないその予測不能な動きにガイは喉を仰け反らせて身体をぶるりと震わす。
「はぁっ…」
口から甘く満足気な息がもれる。
それからゆるりと触手は動き出す。ぬちゅっと水音を立てて抜き、そしてずぶりと奥まで突き入れる。
抜き差しの度に触手から垂らされる粘度の高い液体が卑猥な音をならしている。
その度に身体の熱は高まっていく。
身体をあます処なく這い回り、ねぶり、吸い上げる触手に、体内を埋め尽くして激しく突きあげてくる触手に。
化物に。
化物相手に喘ぐ自分はなんとも浅ましいのだ、と恥じ入れば、益々快楽は高まってくる。
「ああぁぁぁ、……あぁっ…、ンッ、アアァァッ」
もっともっと、とねだるような自分の甘い声が鼓膜を震わせる。
淫獣のように快楽だけを一心に貪ろうとするガイの脳裏に、赤が一瞬掠める。
一瞬掠めた残像が、欲望に流されたガイの理性を蘇らせる。激しく身を捩り叫ぶ。
「やめっ……、やめろっ!!」
従順であったガイの急な抵抗に四肢を拘束する触手はぎゅっとその力を強くし、体内を穿つ触手はその動きを早める。
それでもなお抵抗を止めぬガイに止めをさすように、体内の奥深くまで入り込んだ触手が動きを止め、先端を膨らませる。
そして次の瞬間、口内に注ぎ込まれたものとは比べ物にならない程の量の粘液が中でぶちまけられた。
体内に迸る熱い液を受けて、びくびくと身体が痙攣する。
ギリギリまで張っていた糸がぶつりと切れ、ガイの目から涙が次々に溢れでてくる。
「うっ……うっ…、……ぅーク…」
涙で顔を濡らしながら、懺悔するように繰り返し名を呼ぶ。だがその声はあまりにか細く小さかった。
いれたまま触手は再び律動を始め、体内に放たれた粘液が逆流し結合部分からぼたぼたと溢れる音に容易にかき消された。
だが。
「呼んだか、ガイ」
姿は見えない。幻聴かとガイが思うより先に「全てを滅ぼす刃と化せ」の掛け声とともに輝く光が触手を襲った。

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