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小話
触手ガイ ルクガイ 後編
ぐたり、と力を失った触手の拘束をルークがひとつひとつ解いてやる。
まずは「のやろう、そこはお前の場所じゃねえ」と強引にガイの内部に入り込んだままの触手を引きずりだして剣をその身に刺す。
胸に張り付いたままの触手を忌々しそうに引き離すと、草むらに放り投げる。
「だーっ、なんだこりゃ。うわー、ねっちょねっちょ」
触手をつかんだだけでも、粘液が糸を引いてねばついている。
「大丈夫か、ガイ」
心配そうに顔を覗き込むルークに、ガイはまだ実感を伴っていないように呆然としている。
「泣いてんじゃねえか」と、ぐいっと指でガイの目尻を拭ってやる。
「ルー…ク」
「ん、どうした、ガイ」
「ルーク、ルー…」
名を呼びながらルークの腕に縋って顔をうずめると、肩を震わせて小さく嗚咽を漏らす。
ルークは目を細めながらゆっくりとガイの背を撫でてやる。
嗚咽の合間、ふ、ふ、と吐かれる息が艷めいている事にルークが気づく。
注意深くガイの身体をみると、もぞもぞと腰を揺らめかし、下肢の性器は硬くたちあがり、雫でテラテラと濡れそぼっている。
「キツイのか?」
とルークが問うと、びくりと身体を震わせる。
顔は依然とルークの胸にうずめたままなので表情を窺うことは出来ない。ガイはルークの言葉を否定するように左右に頭を振る。
だが、身体はそれと真逆の反応を示している。
ルークはひとまず、ガイの後孔からいまだにゴボリと音を立てて溢れでてくる粘液を掻きだすことにした。
声を掛けず、前触れもなく指を挿し入れると、ガイは「あっ」と声をあげてビクリを全身を震わせた。
差し入れた指が濡れそぼる程に中は粘液にまみれている。
僅かに指を曲げてだけで、次々に溢れでてくる。
壁を擦るようなその動きにガイの背を快楽が駆け上がる。無意識にルークの腕に爪を深くたててその衝撃をやり過ごす。
化物のくせに押さえてるよなあ、とルークはガイの中を指でかき混ぜながら、ごくりと息を呑む。
ガイの格好は白いシャツが両の肘あたりにどうにか通されているだけで、前も背も大きく肌蹴ている。
下半身は片足だけ通された黒のスパッツのせいで、日に焼けていない太ももや片脚の白さをこのうえなく映えさせている。
そんな事を考えていると、胸に顔をうずめているガイの息は益々熱く忙しなくなっていく。
「おい、ガイ、大丈夫か」
いたわる言葉をかけると、ゆるゆるとガイは顔をあげる。
ルークを見上げる青の双眸は濡れていて、頬は紅潮して、噛み締めた唇はわなないている。
意識を飛ばす前以外に、こんなにも余裕なく縋ってくるガイを初めて見る。
「ルーク、の、で……」
かすれた声で切れ切れに言葉を紡ぐが、それ以上口にするのはまだ羞恥が勝るらしく顔を赤くしてぎゅっと口を噤んだ。
意地悪くその先を促してもいいが、ガイの全身は紅潮し汗ばんでおり、吐く息は荒く、心臓は恐ろしい勢いで早鐘を打っているのが身体を寄せられているだけでも伝わってくる。
よくよく見てみればガイの身体は粘液で濡れてはいるが、彼自身の精液を迸らせた痕跡もない。
高められ焦らされたままの状態が続いたままなのだ。
「ガイのんな姿みたら我慢出来なくなった。やっていい?」
素直にねだる事の出来ない心情を汲みとったルークの言葉に、ガイは瞠目する。
こくこくと頷く事しか出来ないガイにルークはにっと笑って見せる。


*****

「あ、ぁあっ、ああっ、んっ―――ッツ!!」
昂った剛直が、綻び熱く熟れた内部の最奥を一気に貫いた時、ガイは甘い悲鳴を上げて呆気無く達した。
内部が複雑に扇動し、吸いつくような動きをみせ、入り口はきつく締め上げてきてルークは思わず唸る。
「ガ、い」
びくびくと痙攣を繰り返しながら、精液をまき散らしているが、身体は弛緩する様子もない。
絶頂感は依然続いたまま。尚も性器は硬く勃ちあがったままで、身体の疼きは収まらないままでいる。
「ルーク、ルー…ク、ルーク」
子供のように泣きじゃくりながら恋人の名を呼ぶガイに、ルークは彼がよくするように眉尻をさげて困った顔をみせる。
「っつぅ!ガイ。頼むか、ら」
もうちょっと緩めてほしい、と続く言葉はガイによって遮られる。
「もっと、ルークが、欲しい」
滅多な事では口にしない誘い文句に、ルークの思考が一気に灼けつく。
噛み付くような勢いでガイに口づけをして、飢えた獣のように口内を余すところなく貪りつくす。
息を整える暇も与えない。ガイの口の端から唾液が零れ顎をつたっている。
その口づけに翻弄されたガイは無意識に下肢の力が緩まる。
それを待っていたとばかりにルークは激しく腰を打ち付ける。
ガイがその衝撃に喉を仰け反らせる。離れた唇からは「はっ、アアッ、ルーク、…ルークッ!!」とガイが甘くひっきりなしにルークの名を呼ぶ。
粘液にまみれている内部の滑りはよく、抜き差しするたびに甘く絡みついて吸いつくような動きを見せる。
内壁を穿つように突き入れながら、この粘液ヤバくないか?とルークは感じていた。
快楽が高まりっぱなしなのだ。絶え間ない絶頂感に芯から痺れて思考が鈍ってくる。
それを身体中に塗りたくられ、吸収しやすい粘膜に大量にぶちまけられたガイが感じっぱなしな事も納得がいく。
「化物とどっちがいい?」
意地悪くルークが尋ねると、ガイは必死に頭を振りながら、「ルークがいい、ルークじゃ、なきゃ…いやだ」と泣きじゃくる。
腹の底でもたげた獣性はその言葉で呆気無く霧散する。
いつも兄貴風をふかせて、余程のことがない限りはこんな風に想いを赤裸々にしないガイの言葉に、ルークはいとおしさが増してくる。
「だよな、俺もガイがいい」
目尻を伝う涙を舐めとると、腰を抱えなおしてより深い悦楽を与えるために容赦なく腰を激しく打ち付けた。


「いやっ…、も、……だ……ぁあっ」
甘い声で弱々しく拒絶しても、それは煽ることにしかならない。
だが、実際ガイはもう限界だったようで、絶頂を迎えた途端がくりと糸のきれた人形のように全身の力が抜ける。
「おい、ガイ」
軽く頬を叩くが、意識を飛ばしてしまったらしくぴくりとも反応を返さない。
仕方ないな、とガイの中から抜き出すと、ごぼっと音を立てて今度はルークの精液が大量に零れ落ちて草を濡らす。
赤く熟れた場所から白い液が零れ、ガイの臀部や腿を伝っていく様子は扇情的で、また硬くなっていく性器を自制するために、視線を動かす。
そしてルークは絶命しだらりと草むらに投げ出している触手にめをとめる。
絶命してもまだたらたらと表面の粘液は乾くことなく垂れている。
「……あれ、持ち帰れねえかな」と不穏な考えを口にした。




ナナさんの美味しい呟きネタを、私が勝手に書きたいと書いてしまって押し付けた代物です。
触手書きたかったんだ……(自重して)

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あきゅろす。
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