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10万企画小説
お客様の相手をする子ガイ(激しめ) 前編
※モブガイの陵辱ものです




光の都バチカルの上層に、一際広大な敷地に屋敷を構えるのはファブレ公爵家。
その血筋は古く、王家と深く血が繋がっているキムラスカの大貴族である。
屋敷内はキムラスカの色である赤を基調とし、意匠を凝らした調度品が飾られている。
その屋敷に招かれるのは、王家に連なるファブレ公爵と交流するに相応しい人物ばかりである。

表向きは

屋敷奥に重厚な両開きの扉がある。だがそこから先を知る者は少ない。
何故ならその扉には常に鍵がかけられているからだ。
鍵を持つのは主であるファブレ公爵。執事と古参のメイド頭のみである。
その扉は数ヶ月に一度だけ開かれる。真夜中にひっそりと。
まっすぐに延びた廊下の側面にはいくつかの片手扉があり、突き当りには、ひときわ重厚な両開きの扉があった。
両開きの扉の先には広い部屋がある。
そこで「宴」が行われる。
赤い絨毯、赤い壁紙。主の名のような真紅の部屋である。
部屋には思考を麻痺させるような、甘くそして苦いような濃厚な香りが満ちている。
広い部屋であるのに明かりは少ない。
四方の壁に造り付けられた燭台で揺れる蝋燭と、部屋中央に鎮座しているベッドの傍に置かれた燭台の明かりのみである。
揺れる明かりが、キングサイズのベッドに蠢く何かを浮かび上がらせている。
そこから肉を打つ乾いた音にあわせ、啜り泣くような声が漏れ聞こえてくる。
寝台の上では、まだ幼さの残る少年が、醜く太った男に覆いかぶさられ貪られていた。


*******


ガイはファブレ公爵家の使用人である。
まだ幼い頃から庭師の祖父と共にこの屋敷に身を寄せている。
年が近いということで、屋敷の一人息子が彼を遊び相手に選んだ。そこには己を顧みない父親への意趣返しが含まれていた。
そして聡明なその赤い髪の少年が誘拐され、ようやく見付け出した時には赤ん坊のようになっていた。ガイはその世話に従事することとなった。
拙いながらも言葉を覚える頃にもなると、べったりとガイの腰に腕を回して張り付くほどに慕われるようにもなった。
それを周囲の者は微笑ましく見守っていた。ガイは困ったように、だがまんざらではないように笑ってみせていた。
その優しげな蒼い瞳の奥に潜む剣呑な光をうまく隠し通しながら。
そんなある日、ガイはラムダスに呼ばれた。また苦言を言われるのか、と暗澹とした思いを抱きながら足を向けた。
ラムダスは大切な跡取り息子であるルークが、使用人ガイにべったりと人目もはばからずに甘えることを良しとはしなかった。
まだ言葉も理解できぬルークよりも、ガイに釘を刺す方が確実で早い。
ゆえに、ガイはラムダスから説教を受ける日々であった。
覚悟をきめてラムダスの前に立つガイに、ラムダスから口から思いもかけない言葉がかけられる。
「今夜、お前に客人の相手をするように、とご主人様のご命令だ」
ご主人様、の言葉にガイの肩がピクリと震える。
悟られるように無邪気さを纏い、驚いた表情をガイは作る。
「私…がですか?」
「うむ。特別なお相手となる。ゆえにお前は本日と明日の通常業務は休みとする。…………詳しくはメイド頭に尋ねなさい」
「はい、わかりました」
一礼して部屋を辞する。「特別なお相手」の意味がわからぬ程ガイは子どもではなかった。いや、公爵の手によりそうさせられたのだ。
赤ん坊のように何も出来ないルークの世話に明け暮れていた一年前。その時も「特別なお相手」と言われ公爵の私室の寝台に上がらされ、この上ない屈辱を味わう事となった。
この上ない痛苦に涙をこぼしながら、ガイはいつかはこの首級を、と怒りに震えながらも圧倒的な力の差も感じ、己の無力さにも憤っていた。
いつしか好機が訪れると信じて、屈辱に身を委ね続けていた。
ぎゅっと拳を握りこむ。その拳が小刻みに震えるのは、憤怒の念か、それとも恐れゆえか。それはガイにすらわからずにいた。


ぎい、と軋む音と共にゆっくりと両開きの扉が開かれる。
そこはガイが初めて目にする光景であった。開かずの扉の先にあるそう長くはない廊下をラムダスに次いで歩いて行く。
突き当たりの重厚な扉をラムダスが二回叩き「お連れ致しました」と告げると、入室を許可する公爵の声をまち、ぎいっと音を立ててゆっくりと開かれる。
広い部屋の明かりは揺らめく蝋燭の炎だけ。入室してきたガイを、ナイトガウンを纏った客人二人がギラギラと情欲に満ちた視線を向ける。
その獲物を前にした獣のような眼差しに、ガイの身体は硬直し、足はがくがくと震えだした。
「ご挨拶なさい」と小声でたしなめるラムダスの言葉にも反応できずに、その場に無言で立ち尽くした。
「そうそう、この子ですよ」
挨拶もしない無礼など気にもかけない様子で、客人の一人が椅子から立ち上がりガイに歩み寄る。
でっぷりと欲望のままに肥大した身体つき同様、指もまるまると肥えた芋虫のようである。その太い短い指で顔を撫で回され、ガイの顔面は血の気を失い、小刻みに震えだす。
「おや、震えているのかい。さあ、こちらにおいで、あたたかいものを沢山あげるからね」
あたたかいもの、の言葉にガイに恐怖が一気に押し寄せる。震える足を叱咤し、肩や腰に回された汗ばんだ手を払いのけ、このまま自分の部屋に戻りたい、と強く思った。
だが、ガイを促す公爵の冷たい声が、少年の自棄な考えを霧散させた。
「寝台に上がりなさい」
ぐっと奥歯を噛み締める。ここで捨て鉢になれば、今までの労苦は何になる。こんな事大したことはない。
そうやってガイは自分を鼓舞する。だが、はあはあと興奮してせわしないなまぬるい息をふきかける肥満の男に、本能で身を竦ませる。
もう一人の男がナイトガウンを脱いで裸体をガイに晒す。肥満男に比べれば痩せてはいるが、中年らしく身体は弛みきっている。
「やはり可愛い子だねえ。ファブレ公爵家では下働きすら見目麗しく品がおありですな」
汗ばんだ太い指が、少年の肌理細やかな肌を撫で回しながら、公爵へのへつらいも忘れない。
それはどうも、と公爵は、宴がよく見える位置で椅子に身体を預け、淡々とした言葉を返す。
肥満の男がガイをぐいっと引き寄せ、寝台へとむかう。寝台そばの蝋燭が揺らめいて、陰影を周囲に落とす。
クラリと。蝋燭の炎のように、床が揺らめくような錯覚に陥る。
部屋に満たされている甘く苦い香りが一層濃厚になったように感じる。急速に思考に霞がかかっていくような。
額に手をあててバランスを取ろうとするが、今度は視界全てが歪んで揺らめいているようだ。
「おや、目が回ったのかい。じゃあ、ベッドに横になりなさい」
ねっとりとした声がやけに近くから聞こえる。視界がぐるりと反転する。
ベッドの上に横たわるったのだ、とガイが把握するより先に、男たちの手がガイの衣服に伸びる。
シャツのボタンを外し、肌蹴させている最中、肥満の男が我先にとばかりに首筋にむしゃぶりついた。
はふはふと息を荒くして、まるで極上のごちそうをむしゃぶりつくかのように、ベロベロと舐め回す様子に、もう一人の男は苦笑いする。
「かなり傾慕されておいででしたからな」
公爵の言葉に軽く肩を竦めると、ガウンを羽織って寝台から下りる。此度の宴は、その肥満男の渇望によるところが大きかった。
公爵家に訪れた際に、生粋の少年愛者である男がガイを一方的に見初め、うちの使用人として引き取りたいと下心丸出しで公爵に願ったのが切っ掛けである。
当然それは却下されたが、ならば、と尚も食い下がった情熱が今日の宴の運びとなったのだ。その事情を知るもう一人の男が一声かける。
「では、お先にどうぞ」
その言葉も耳に入っているのかどうか。荒い息をはきながら、もどかしそうにガイの衣服を全て剥ぎとる。


後編


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