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愛人 読みきり連作
奉仕 鏡 前編
ガイ16歳

ペールが急逝し、午前中はルークの遊び相手。午後からは公爵の執務室で下っ端の事務官のような事をやるようになった。
毎日積み上げるようにある公爵宛の書簡や贈答品の仕分けに始まり、必要な書籍をひいて付箋をつけておくなどの雑務だった。
公爵が日中屋敷に滞在する事は少ないため、顔を合わせる事も少ない。
だからなのだろう、いつもルークは俺を引き止める。少しばかり遅くなっても父上にはばれない、だから俺ともっと遊べという事だ。
それを苦虫を潰したような表情で執事のラムダスが見ている事もきづいていた。しかし、まさかこんな事になるなんて、俺は思いもしなかった。


珍しく公爵は家に居た。扉をあけて中に足を踏み入れると、有無を言わさずに服を全て剥ぎ取られた。
昼を少し過ぎたばかりで、窓からは光が差し込んでいる。羞恥に身を震わせていると、顎に手を置かれる。
ぐいっとあげられて、公爵と目線があう。
「職務をさぼっているようだな」
ラムダスの進言だとすぐにわかった。ルークに請われたとはいえ自分に責はある。素直に
「申し訳ございません」と謝るが、公爵はくっと笑うと
「ならばもう一つの職務に励んでもらうとする」といって、執務机の下に俺を押し込んだ。

何度教えても下手なままだな、と愉快そうに笑う声が落ちてくる。
こちらは必死だ。根元まで咥える事が出来ずに、先端を上顎に擦り付けながら裏筋に舌を這わせる。
必死になればなる程口の中で重量は増していく。苦しくなって、飲み込めない唾液が顎を伝う。
自分でほぐせと命令され、あいている手を後ろに回すが、疎かになってしまう。
そんな中、扉が叩かれる。びくっと身体が強張り、口に含んだまま公爵を見上げる。
だが軽く顎をしゃくってみせるだけだ。続けろ、という事らしい。
しかもラムダスの声に続いて聞こえてきたのは、ルークの声だった。
羞恥で全身が熱を持つ。声をあげる事も出来ず息を潜め、公爵に非難を多く含んだ視線を送ることしか出来ない。
「…申し訳ありません。これからは改めます。だから、ガイは…ガイを辞めさせないでください」
執務室は毛足の長い絨毯だ。足音を綺麗に吸い込む。そのため、ルークがこんなに近くに寄って来ている事に気付かなかった。
声が近い。ルークにこんな所を見られたら。そう考えると、体の奥底がジワリと熱くなる。
居たたまれなさにどうして良いのかわからずにいると、公爵の靴先が俺のモノに触れる。
瞬間、咥えたまま声をあげそうになる。
何か感じ取ったのか、下がるはずのルークが足をとめたのがわかる。
頼む、このまま素直に下がってくれ。ルークが俺の所在を公爵に尋ねたが、相変わらず実の子に話しているとは思えない冷淡さで返していた。
ようやく扉が閉められ、足音が遠ざかっていくまで、ひたすら息をつめ、耳を研ぎ澄まさせていた。
公爵がようやく執務机の下に目を落とす。
「どうだ、少しはほぐれたか」
散々人で遊んでおいて、何という物の言い方だ。睨みあげるが、それさえも面白そうに冷笑している。
ようやく机の下から出る事を許されたが、その瞬間、積み上げらた書類を薙ぎ払う。白い鳥が一斉に飛び立ったような錯覚に陥る。
だが、すぐさま上体を机に押し付けられ、まだ充分にほぐれてもいない箇所に先ほどまで口に含んでいた怒張を押し当てられる。

一気に内部を抉られて、身体が震える。侵入者を拒むように閉じようとする箇所を、強引に腰を進めて掻き分けてくる。
漏れる悲鳴を「ルークに聞こえるかもしれんぞ」の言葉でなんとか押し止めようとする。
だが痛みに足が震えて立つことも困難だが、構わずに公爵は激しく突き上げてくる。机に押し付けられた上半身が揺れる。
冷たい机に押し当てられた胸の先端が擦れて、痺れるような痛みと快楽が駆巡る。
突き上げられる激しさに内臓を突き破られるのではないかという恐怖感に背筋を凍らせていると、公爵の手がおれ自身をきつく握る。
絶妙の力加減で扱かれ、覆った口から甘い声が漏れてしまう。
耳朶を舐められ、耳の中に舌を入れられ、グジュグジュといやらしい水音が脳内に響く。
気持ち…いい。ああ、きも…ち…いい。何も考えられない。公爵の手の動きが激しさを増し、快楽の階段を上り詰める時に肩口にジクリと痛みが走る。
瞬間、俺は公爵の手に白濁液を散らした。
すぐ後に背後で小さく呻く声が聞こえたかと思うと、身体の奥深くに熱いものが放たれたのがわかった。
もっと奥に放とうとするかのようの背後で数回公爵が身体を揺らす。動きがとまり、ズルリと抜かれた時、足は身体を支える事が出来ずに、ずるずると床にへたり込む。

「書類を拾いなさい」
汚れた掌をタオルで拭いながら、先ほどまでの獣じみた行為が嘘のように冷淡な声で命令をくだす。
まだ息が整わない身体をなんとか気力で起す。
「獣のように這いつくばってだ」
この男はどこまで人のプライドを踏みつけるのだろう。
真昼間、獣のように四つん這いになり、書類を一枚一枚拾っていく。屈辱に歯を食い縛っているとと、背後から愉快そうな声が掛かる。
「面白いものだな。先ほどまでぱっくりと開いて私のものを咥えこんでいたが、もう慎ましやかに口を閉じようとしている」
絶句する。
この男は何を言い出すのだ。
羞恥で全身熱をもち、このまま書類をあの高慢な顔に投げつけてそのまま逃げ出したくなる。
ようやく全て拾い終わり、机の上に置く。
「旦那様、私の服はどちらに」
「着る必要はない。言ったはずだ、今日はもう一つの職務に励んでもらうと。
あちらの部屋に行きなさい」
そう顎で差すのは、執務室と続きになった寝室への扉だった。

後編へ



すみません。ちょっと長くなったので分けます。
明日にはアップできます


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