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創作小説 『スパイシー☆キャンディ2』

「……コレ…すげぇ固ぇんだけど」

武は半眼でななを睨む。

ななは「む…」と唸り、

「何さっ、せっかく彼女が作ってあげた愛情りょーりにケチつけて。よく噛んで食べりゃいーだけじゃんかぁ!」

「顎取れちまうだろ! 何だよこの固さは!?」

「もーっ! ソレはいーから、じゃ次味噌汁行ってみて!」

「コレもお前かよぉっ!?」

「むーっ!」

むくれているななと仏頂面の武を見比べ、清美は「ふふふ」と笑った。

ななはクルッと清美に振り向き訴える。

「清美さぁん。タケシって好き嫌い多いよねーっ」

「っていうか…ね」

と、清美はクスクス笑っている。

武はあきらめの表情で「じる…」と味噌汁を吸い、

「姉ちゃんも悪いよな。コイツ止めねぇんだからよ」

ななが何か言いかける前に清美が先立ってフォローし、

「あら。頑張ってたわよ、ななちゃん。あんたに食べてもらうの楽しみにして。可愛いじゃないの」

「でねタケシ♪ タケシの好物聞いてあるから今度作ってあげ――」

「いらんっ」

「何で即答すんのさーっ!」

ななが床を踏み鳴らして立ち上がる。

「遠慮なんかしてたらどんな目に遭うか分かんねーだろが!」

「むがーっ!」

武も立ち上がりかけるのを見て、清美がピシャリと制する。

「座りなさい、2人共。食事中でしょ」

2人は冷や水を浴びたように大人しくなり、黙々と食事に戻った。

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