創作小説 『スパイシー☆キャンディ2』
10
「く、暗ぁーーーっ!
何コレ!?」
その声にビクッとなる武。
「…んだよ、おどかすなよな。
消すぞっつっただろーが」
「真っ暗じゃんかぁー!
豆電球くらいつけといてよね!」
「切れてんだって。
めんどくさいから換えてねーんだよ」
「こんなんで寝るなんてヤダー!
オバケ出たらどーすんのさ!?」
「出るかよ」
ななに背を向けて横になった武だが、後ろからピッタリとくっつかれ寝るに寝れなくなった。
「暑っ苦しいな、おい離れろって…」
「だって怖いもんっ」
むぎゅむぎゅ、と背中に柔らかいものが押しつけられる。
「…お前、ブラジャーしてねぇのか?」
「する訳ないじゃん、寝るんだから」
「そっか…」
むぎゅむぎゅむぎゅ…。
武は目が冴えてきて寝るどころではなくなった。
「なぁ、ほんとさ。
離れろっていい加減…」
「ん…」
肩越しに振り返ると、すでに半ば眠りかけたなながスルリと武から離れてすぅすぅと寝息を立て始めた。
憎たらしいくらい気持ちよさそうに寝入っている。
中途半端にかき乱されたこっちの気持ちはどうなるんだ…暗がりの中悶々としつつ、しばらく眠れそうにない武だった。
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