創作小説 『スパイシー☆キャンディ2』
9
就寝時。
ななと武は寝床をめぐってもめていた。
2人してベッドに座り込み、
「アタシ壁側にくっついて寝たいー!
だって端だと絶対落っことされそーだもん」
「バカ、お前寝相悪いから勝手に自爆して落ちるんだろが」
「大体このベッド狭すぎなんだよねー。
タケシでかいから一緒に寝るとジャマくさそーだし。
てか、タケシは床で寝るって事でいーんじゃない?」
「何でそーなるんだよ!
ここ俺の部屋だぞ!?」
「レディーファーストって言葉を知らないのー!?
女の子には優しくしないとダメなんだからねーっ!」
――結局武は妥協して壁側を譲り、その隣に体を小さくして横たわった。
「ねータケシ。
どうなの?」
「落ちかけてるっての」
「そーじゃなくて。
車の学校さ」
「あぁ…んー、頭では分かってんだけど、やろうとすると上手くいかないっつぅか。
こんなんで乗れるようになんのかなーって…自信なくなってくるよ」
「もー、今からそんなんでどーすんの!?
情けないなぁ!」
ななにバシッと叩かれ、武はベッドからずり落ちかけた。
「っ…何すんだよ、危ないだろが!」
「喝入れてやったのさ」
「おっ前な〜!
他人事だと思って…」
「タケシにどこ連れてってもらおーかなって楽しみにしてんだから。
意地でも頑張ってよねっ」
「お、おぅ…。
そ…か。
そっか……へへ」
期待されて嬉しかったのか、ニヤニヤする武。
「じゃおやすみっ!」
言って照れくさくなったななは、壁側を向き頭から布団をかぶった。
「おぅ、おやすみ。
じゃあ電気消すぞー」
パチン、と明かりが落ちる。
途端に、布団から顔を覗かせたななが絶叫した。
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