創作小説 『スパイシー☆キャンディ2』
8
「ん…これ、姉ちゃんと同じシャンプー使ったのか?」
「うん。
だって他にはヘンなシャンプーしかなかったし」
「ヘンって、それは俺と親父の男用のやつだろが。
――うん、けど、強いて言えば匂いがちょっと大人っぽいかな。
お前いっつもガキが食う菓子みてぇな匂いすっから」
「何だよその言い方ー!
アタシのシャンプーいい匂いでしょ!?
ドロップの香りのシャンプーで、ボトルのデザインもすごいかわいーんだからね!
小学生の時から愛用してるんだからっ」
「…やっぱガキじゃねぇか」
「あ、そーだ。
歯ブラシどーしよ。
タケシの貸してよ」
「急に話変えんなって…。
つぅか、買い置きあっからそれ使やいーだろが」
「そっか。
じゃー歯磨きしてこよっかな」
とてとてとドアへ向かっていたなながパッと振り返り、
「あ、そーだ。
タケシ、ペン貸して」
「?
何すんだよ、ペンなんか」
疑問に思いつつも「ほらよ」と投げてやる。
「歯ブラシに名前書いとくの。
分かんなくなるから」
パシッとペンを受け取ると、さっさと部屋を出て行ってしまう。
「…うちに置いてく気かよ」
その内この家の居候になってやしないか。
ドッと憂鬱になる武だった。
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