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創作短編『聖なる夜に〜とある都会の片隅で〜』
B
〜そんな訳で、巴里はトナカイのコスプレ姿で店の呼び込みの為にティッシュ配りの雑用を押しつけられたのだった。

少し離れた所でボーイの菅山(すがやま)が同じくティッシュを配っている。

巴里は彼を恨めしそうに睨んだ。

「自分だけそんなあったかそーなジャンパー羽織ってズッコイなぁ」

「俺は裏方だからな。目立っちゃダメだろ」

「こういう時だけ都合よすぎ〜」

「つべこべ言ってないで働けパー子」

「その呼び名ヤダぁ、パリイだもん…」

むくれながらもティッシュを配る。

――今日はクリスマス・イヴ。

どこからか定番のクリスマスソングが流れて来る。

夕暮れに差しかかって、ケーキのセールの呼び込みも聞こえる。

菅山が巴里のカゴを覗き込み舌打ちをする。

「終わらせろ早く…!」

「そんな事言ったって〜…誰でも配りゃいい訳じゃないって言ったのそっちじゃん」

「こんだけ流れがありゃ配れるだろ。一体どこ見て突っ立ってんだ。お前の目は節穴か」

「う〜…だってだって、手がかじかんで動かないもん〜〜」

涙目で訴える巴里にため息をつくと、菅山は自分のカゴと巴里のカゴを交換した。



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あきゅろす。
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