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創作短編『それぞれのゆく年くる年』
年越しの夜にB
ななはこたつの中でモゾモゾとしつつ「んー」と唸り、

「けどタケシの奴ってさ、清美さんには頭が上がらないクセに、アタシにはエラソーに言って来るじゃん。生意気だからムカつく」

「だからそれが、あなたには心を許してるって証拠よ。私はまぁ、あの子の母親みたいな所もあるからねー…」

清美はそう言って苦笑いする。

「ん〜〜〜、清美さんの言いたい事は何となく分かるよーな…。でもさやっぱり、アタシってまだまだタケシにナメられてると思うんだよね。上下関係って奴を覚えさせてやらなきゃ! しつけが足らないのかな?」

清美はぐったりと疲れた表情になり、

「上下関係ってあなた、何を基準に…」

「女帝社会!」

とななは意気込み、拳をグッと固めた。

――そうしてしばらく賑やかしかった食卓が、次第に静かになって来た。

ななの目がトロンとなり、ウトウトと舟を漕ぎ始める。

「ななちゃん、年越しのおそば先に食べる?」

こりゃ寝そうだな、と思った清美が声をかけるが、ななはとうとう床に寝そべってしまった。

「んー、おそば? 食べたいけど眠い…ちょっとだけ寝るね……」

すでに半分寝ながらそう残すと、ななはこたつに入ったままスースーと寝息を立て始めた。

清美はフッと笑って毛布を持って来ると、ななの肩の辺りにそっとかけた。



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あきゅろす。
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