[携帯モード] [URL送信]

創作小説 『スパイシー☆キャンディ』

「おい、敵って」

あきれる武に近寄り、すがるような眼差しでななは訴えた。

「アタシを毒殺しよーとか企んでたらどうしよう! 誕生日なのに死にたくないよーっ! タケシ絶っ対助けてね!!」

あまりにもバカらしいななの発想に、武はあきれ返った。

「んな事すっかよ。お前じゃあるまいし」

「どーゆー意味だソレは!」

ガルッ、と猛獣のような勢いでななが武に迫った時――

コンコン、とドアをノックする音がした。

ななはハッとして、弾かれたようにドアの方を振り向く。

「支度出来たわよ。来なさい」

ドアの向こうから清美が声をかけて来た。

「おう、分かった。今行く」

武が返事を返すと、清美の足音がスタスタと遠去かって行った…。

ななは固まったままゴクンと唾を飲み込む。

そんなななを気にするふうでもなく、武はのっそりと立ち上がった。

「よし。じゃ行くか」

「うんっ…」

覚悟を決めてななも立ち上がり――ぎゅっと武の手を握った。

少し痛いくらいちからを込めて来るななを、ギョッとして見る。

「わっ、何だよ!?」

「離さないでよね」

ななは真っ直ぐにドアを睨み付けたままで、武の方を見る余裕はもうなかった…。



[*前へ]

7/7ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!