創作小説 『スパイシー☆キャンディ』
4
5月13日――今日はななの誕生日だった。
「ちょっと何コレー!」
武がくれたプレゼントの包み紙を喜んで開けたななだったが、その中身を見た途端ぶーたれた表情になった。
両端をつまんで広げると、それは怪しいフリルやレースの付いた大人の下着の上下セットだった。
武はニヤニヤしている。
「そういうのを着けてちっとは色気ってもんを覚えろ」
ななはギト…!と武を睨んで、
「それって結局タケシの為なんじゃんか! アタシ嬉しくないもん!」
「まぁ今のお前にはまだ似合わねぇかも知んねぇけど、一回着けてみろよ」
「ここでぇ!? ――って、コレってどーやって着けるのさ? 何かケバいし、どこがどーなってんのかよく分かんな――」
これまで見た事もない怪しい下着に戸惑い、あちこちつまんだり引っ張ったりしてまさぐっていると…
「ちょっ、コレTバックじゃん! 何考えてんのタケシのバカー!! こんなの着るかー!」
真っ赤になって、下着を武に投げつける。
「わっ! 何すんだよ、人がせっかく選んだプレゼントを…」
飛んで来たブラジャーを頭に被ったまま、武はブツブツと嘆いた。
「ヘンタイ」
ななに冷ややかな視線を向けられ、武は頭上のブラを鷲掴みにした。
「お前な、人からもらったもん投げんのやめろよな!」
「ねぇタケシ。アタシ欲しいものがあるんだけど」
「何だよ。そういう事はもっと早く言えって――」
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